あなたが18才以上ならば絶対にプレイすべき一本。ダークでシリアスな“大人のRPG”「ウィッチャー3 ワイルドハント」のプレイレポートをお届け
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開発を手掛けるのは,ポーランドに拠点を置くデベロッパCD PROJEKT REDで,日本語版のローカライズはスパイク・チュンソフトが担当している。
物語の舞台となるのは,南方のニルフガード帝国と,異世界から現れた死霊の軍勢“ワイルドハント”の脅威にさらされた北方諸国。プレイヤーは,行方をくらませた恋人と義理の娘を捜す主人公ゲラルトとなり,混沌渦巻く広大なオープンワールドの世界を冒険することになる。
今回はPlayStation 4版のウィッチャー3をプレイしてみたので,本作の魅力をたっぷりのスクリーンショットと合わせて紹介していこう。
「ウィッチャー3 ワイルドハント」4Gamer特設サイト
「ウィッチャー3 ワイルドハント」公式サイト
伝説のモンスタースレイヤーを操作するという緊張感
「ウィッチャー」シリーズの魅力といえば,やはり主人公のゲラルトが持つヒーロー像だろう。怪物退治を生業にするウィッチャー達の中でも,“伝説の白狼”と呼ばれるゲラルトは,いかなる状況下においても冷静に物事を判断して解決する力と知識を持っている。それゆえ,どんな事件や争いに巻き込まれたとしても安心して見ていられるのだ。
もちろん,実際にゲラルトを操作するのはプレイヤー自身なので,伝説のモンスタースレイヤーがゴロツキに勝つか負けるかもプレイヤーの腕に委ねられる。ゲラルトというロール(役割)は,半端な覚悟では務まらない。
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本作には,50時間以上ものボリュームを持つメインクエストと,人々の依頼を解決していくサイドクエストの2種類が用意されている。ゲラルトは双方のクエストを通じてさまざまなモンスターを退治することになり,グリフィンやワイバーンといった大型モンスターとの戦いでは大迫力の戦闘が楽しめるのだ。
ウィッチャーは戦闘の際,対人用の鋼の剣と,対モンスター用の銀の剣の2本を使い分ける。適切な剣で攻撃しないと効果的なダメージを与えられないのだが,本作では敵に合わせて適切なほうを自動で抜いてくれるため,プレイヤーがいちいち選択する必要はない。
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戦闘前の下準備もウィッチャーの大切な仕事だ。あらかじめ錬金術で霊薬や抽出液を作っておけば,戦闘中に体力を回復したり,自身を強化したりすることができる。このように,錬金術は本作における重要な要素の1つになっているので,フィールド上で素材を見つけたら忘れずに採取しておこう。
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モンスターを倒したり,クエストを完了したりして経験値を溜めるとレベルが上がり,アビリティポイントを獲得する。ポイントは,「戦技」「印」「錬金術」「全般」のどれかに割り振ることで,プレイスタイルに合わせた能力を伸ばすことが可能だ。とくに,全般のカテゴリにある「生存本能」を取ると体力が大幅に増加するので,早めに習得しておきたい。
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また,強力な装備品を身に着けることも重要だ。装備品は,宝箱や敵からのドロップ,あるいは街にいる商人などから手に入る。装備品はランク付けされており,ランクの高いものほど強力な効果が付いていることが多い。こういった高ランクのアイテムを求めて,凶暴なモンスターの巣や,盗賊の野営地に足を運ぶのも,オープンワールドの世界を冒険するうえでの醍醐味の1つだ。
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ゲラルトは,モンスターに悩まされる人々を助けるだけではなく,時には政治や家庭の問題にまで首を突っ込む(というより巻き込まれる)ことがある。とくに事件性の高いクエストでは,ウィッチャーの感覚を使って犯人を追っていくという,探偵ドラマのような展開が待っている。そして,手がかりを見つけるたびにゲラルトの鋭い考察が入るため,プレイヤー側は感心するばかりだ。
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本作では物語を進めていく中で,難しい決断を迫られる場面が幾度も登場する。そして,決断の結果,たとえ悲惨な結末が待っていようがストーリーはそのまま進行していくのだ。こうした決断の積み重ねは,ゲラルトを取り巻く人々の運命や,彼自身の物語に影響していき,まさにゲラルトの人生そのものを綴っていくかのような感覚が味わえる。本作における最大の魅力は,ここにあるといえるだろう。
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プレイヤーの眼前に広がる美しくも残酷な世界は圧巻の一言
プレイヤーが冒険することになる北方諸国の広さは,前作のテメリア王国と比べて約35倍となっている。前作をプレイしていない人には,まったくイメージできないかもしれないが,その広さは,オープンワールドを採用した昨今のゲームタイトルと並べても頭一つ抜きん出ている感がある。
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フィールド上には,さまざまなモンスターが跳梁跋扈しており,それらを退治することで,付近の村が復興したり,行商人が通れるようになってより良いアイテムが購入できるようになったりする。このように,プレイヤーの行動は人々の生活に影響をもたらすこともあり,それがクエストとしてではなく,“知らぬうち”に起きているというのが面白いところ。
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そしてなにより,高品質なグラフィックスで描かれる景観が素晴らしい。地平線に沈んでゆく夕日や,曇天から差し込む太陽の光,晴天のもとで輝く湖の表面など,どこから眺めても,ウィッチャー3の世界は息を呑むほどの美しさだ。
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その一方で,白骨の吊るされた大木や,モンスターに襲われた農民の死体,それを漁る盗賊,さらには戦火の爪痕が残る焼け野原など,思わず目を背けたくなるような光景も目に入る。このギャップが,本作の持つダークファンタジーという側面をうまく引き出しているように感じた。
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また,街に入ると人々の生活を見ることができる。とくに,ゲーム内屈指の広さを誇る巨大都市ノヴィグラドは,女郎屋街や魚市場,大司祭広場など,区画ごとにさまざまな顔を持っており,歩いているだけでも楽しいのだ。
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ミニゲームで冒険の息抜きをしよう
シリーズではおなじみのミニゲームを始めとする息抜き要素は,本作にもしっかりと用意されている。なかでも,「グウェント」と呼ばれるカードゲームは,ミニゲームの域を越えており,好きな人はとことんハマる作りになっている。
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ほかにも,拳闘や競馬といったアクティビティで賭け事をしたり,特定の女性キャラクターとロマンスをしたり,伸びてきたヒゲを剃ったり,髪型を変えたりすることも可能だ。こういった要素はストーリークエストの流れで開放される。
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1作めの「The Witcher」が発売されてから約7年。シリーズ3作めにしてゲラルトサーガの最終章を飾るウィッチャー3は,美しくも残酷な世界で繰り広げられるダークでシリアスな物語が魅力の“大人のRPG”だ。
とくに寄り道への誘導がうまく,筆者も矢継ぎ早に発生するサイドクエストや,グウェントについつい浮気してしまった。すでに50時間ほどプレイしたのだが,クリアまでにどれほどの時間を費やすことになるのか分からない。
ローカライズのクオリティも高く,シリーズに触れたことのない人でも,すんなりとウィッチャーの世界に入り込めるので,興味のある人はぜひ本作を手に取ってもらいたい。ちなみに,本作は18歳以上のみがプレイできるCERO Z指定の作品なので,この点はご注意を。
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