[SPIEL’14]世界最大級のボードゲームの祭典「SPIEL’14」が開幕。世界中のボードゲームファンがドイツ・エッセンに集結
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日本語だと「国際ゲームデイ」といった感じになるこのイベントは,世界中のボードゲームファンやメーカー,バイヤーが集まるアナログゲームの祭典であり,毎年10月下旬に開催されているもの。ちなみにSPIEL(シュピール)とはドイツ語でゲームという意味になる。そしてエッセンシュピールといえば,ボードゲームの聖地である,このイベントを指すものとして,世界中のボードゲームファンにとって特別な意味を持っているのだ。
「SPIEL’14」公式サイト
日本のボードゲームクリエイターが世界へ
30年あまりの歴史を持つドイツ最大のボードゲームの祭典であり,世界中からファンが集まるこのイベントだが,今年は10月16日から19日までの4日間の日程で開催される。うち16日と17日がゲーマーデー,18日と19日がファミリーデーとなっていて,チケットさえ買えばいずれも一般参加が可能。会場は最新のボードゲーム,また掘り出し物の中古ゲームを求める多くのボードゲームファンであふれかえることとなる。
さらに昨年(2013年)からは,コミックコンベンションである「COMIC ACTION」も同時開催となり,さらなる盛り上がりを見せている。イベントを主催するドイツの出版社,Friedhelm Merz(フリードヘルム・メルツ)の発表によれば,昨年のSPIEL’13は世界39か国からの828ブースが出展があり,イベント全体の来場者数は15万6000人を数える規模になっているそうだ。
もちろん日本からも,多くのボードゲームファンが現地を訪れるほか,近年はクリエイターが出展するケースも増えてきてる。日本のボードゲームを海外に紹介することを目的とした団体である「Japon Brand」を通じ,「ラブレター」のカナイセイジ氏を始めとする日本人ゲームデザイナーが海外でも高い評価を獲得。海外版が発売されるという流れができはじめているのだ。
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ドイツゲーム賞2014,大賞は「RUSSIAN RAIL ROADS」が獲得
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ちなみに,ボードゲームのメッカたるドイツには,もう一つ「Spiel des Jahres(ドイツ年間ゲーム大賞)」という賞があるのだが,こちらは選考委員会式がとられている。そのためか,一般投票によって選ばれるドイツゲーム賞は,どちらかというとコアゲーマー寄りになる傾向のようである。
2014年の受賞作は,大賞を「RUSSIAN RAIL ROADS」(ロシアンレイルロード)が獲得。ロシア鉄道の建設をモチーフとした,いわゆるワーカープレイスメント(作業者を表すコマを,仕事が示されたマスに割り振って進めていくゲーム)タイプのタイトルで,発売後,とくにコアゲーマーから高い評価を獲得した。日本語版の発売は未定だが,本国では拡張セットである「RUSSIAN RAIL ROADS: Neue Ingenieure」もすでに発売されている。
また4位には,先に紹介した日本人ゲームデザイナー・カナイセイジ氏の「ラブレター」が食い込んでいるのも見逃せない。日本人がSPIELのレッドカーペットを歩くのは初の快挙であり,今年の授賞式は記念すべき瞬間といえるだろう。
このほか,子供向け部門には「FEUERDRACHEN」(フォイヤードラッヘン),選考委員が選んだ「すぐれたルールブック」に与えられる特別賞(模範ルール部門)「金の羽根賞」には「ABLUXXEN 」(アブルクセン)がそれぞれ選ばれている。
ドイツゲーム賞2014 受賞作品
- 大賞 「RUSSIAN RAILROADS」(ロシアンレイルロード)
作:Helmut Ohley & Leonhard Orgler / メーカー:Hans im Glück Verlag
以下,最終投票順位
- 2位 「ISTANBUL」(イスタンブール)
作:Rüdiger Dorn / メーカー:Pegasus Spiele- 3位 「CONCORDIA」(コンコルディア)
作:Mac Gerdts / メーカー:PD-Verlag- 4位 「LOVE LETTER」(邦題:ラブレター)
作:Seiji Kanai(カナイセイジ) / メーカー:Pegasus Spiele- 6位 「CAVERNA - DIE HÖHLENBAUERN」(カヴェルナ)
作:Uwe Rosenberg / メーカー:Lookout- 7位 「LEWIS & CLARK」(ルイス・クラーク)
作:Cédrick Chaboussit / メーカー:Heidelberger Spieleverlag und Ludonaute- 8位 「ROKOKO」(邦題:ロココの仕立屋)
作:Matthias Cramer,Louis und Stefan Malz /メーカー:eggertspiele und Pegasus Spiele- 9位 「DIE GLASSTRAßE」(グラスロード)
作:Uwe Rosenberg / メーカー:Feuerland Spiele- 10位 「SPLENDOR」(スプレンダー)
作:Marc André / メーカー:Space Cowboysドイツゲーム賞2014 子供向け部門
- 「FEUERDRACHEN」(フォイヤードラッヘン)
作:Carlo Emanuele Lanzavecchia / メーカー:HABA-Habermaaß金の羽根賞(模範ルール部門)
- 「ABLUXXEN 」(アブルクセン)
作:Wolfgang Kramer & Michael Kiesling / メーカー:Ravensburger Spieleverlag
今回4Gamerでは,この熱気にあふれるSPIEL’14の模様を,現地からレポートしていく予定だ。新作ボードゲームの紹介やプレイレポート,メーカー取材などのほか,日本のゲームマーケットとはまた一味違った本場ドイツのボードゲームの祭典ならでは風景をご紹介したい。写真多めでお送りする予定なので,お楽しみに。
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「SPIEL’14」公式サイト
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