インディーズゲームの小部屋:Room#352「Roundabout」
悪霊との戦いを終え,近頃は風光明媚な南ヨーロッパをドライブするのに余念がない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第352回は,「Destroy All Humans!」や「Rock Band」シリーズを手掛けたベテランゲーム開発者達が設立したデベロッパ,No Goblinのデビュー作「Roundabout」を紹介する。
本作は,常に回転しているリムジンに乗客を乗せて,できるだけ早く,事故らないように目的地まで送り届けるというドライブゲームだ。現実世界ではもう秋だけど,ヨーロッパでこの夏最高のドライバーを目指しちゃうぞ!
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時は西暦1977年。プレイヤーは世界で最も有名な“回転式ドライバー”であると言われている主人公のGeorgio Manosとなり,常にぐるぐると回り続けているリムジンを運転して,街のあちこちにいる乗客をピックアップして目的地まで届けてあげることに。どう考えても安全運転とは程遠いが,ゲームはまず,Georgioがリムジンドライバーの採用試験を受けるところから始まる。
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これはゲームのチュートリアルみたいなもので,ちょっとしたドライブをしただけでGeorgioはあっさりと試験にパスしてしまう。この段階で不採用にしておけば,街の人々も安心で万事解決だったのに……。
まったくもって使えない試験官だが,そんなリムジンを利用しようという乗客もヘンテコな人物ばかりなので,結論から言ってしまえばお互い様なのかもしれない。ちなみにこのGeorgio,名前からすると男性のようだが,実際には赤毛の女性だったりする。
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さて,さっそく街に出て乗客を乗せると,B級映画を意識したチープな演技の実写映像が流れるのが本作の特徴だ。この時に彼らのちょっとしたバックストーリーや目的地などが語られるので,どうせ無理だと分かっていてもなるべく安全運転でその場所まで運んであげたい。
何があっても常にスピンしているリムジンを運転するコツは,とにかくタイミングを計ることのみ。曲がりくねった道路や,障害物だらけの路地の隙間を,リムジンの回転を見極めてくぐり抜けよう。
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リムジンは,あまり何度もぶつけていると大爆発してしまうが,たとえ乗客を乗せていても,それによってゲームオーバーになることはなく,直前のチェックポイントからすぐにやり直しになる。一度,目的地まで送り届けた乗客を別の場所で再びピックアップすると,彼らとのストーリーが少しずつ進展するという仕組みになっているのだが,どいつもこいつも頭のネジが2~3本緩んでいるんじゃないかという連中で,あまりのバカバカしさに思わずクスリとしてしまう。

道路に置かれたコーンや通行人達を跳ね飛ばしながら突き進むリムジンの姿は街の人々にとっては悪夢でしかないが,これらはアップグレードパーツを開放するために必要な犠牲(?)なので,遠慮なく体当たりしていくといいだろう。リムジンには最初から短時間だけ回転速度を遅くする機能が備わっているが,ゲームを進めるとジャンプしたり,回転方向を自由に変えたり,外見を装飾したりといったことができるようになる。
とにもかくにも理不尽なノリが楽しい,頭を空っぽにして遊べるゲームなので,興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにて1480円で発売中だ。
■「Roundabout」公式サイト
http://roundaboutgame.com/![]() |
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