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22世紀少年


    「キネマ51」:第27回上映作品は「ラストベガス」

     

     グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏が支配人を務める架空の映画館,「キネマ51」。この劇場では,新作映画を中心としたさまざまな映像作品が上映される。
     第27回の上映作品は,支配人の提唱するジャンル,“ベガス・ムービー”の決定版,「ラストベガス」。

    「ラストベガス」
    2014年5月24日全国ロードショー
    監督: ジョン・タートルトーブ 脚本:ダン・フォーゲルマン
    出演:マイケル・ダグラス,ロバート・デ・ニーロ,モーガン・フリーマン,ケヴィン・クライン
    配給:KADOKAWA

    映画「ラストベガス」公式サイト


    関根:
     なんだか派手なポスターですね,この映画。

    須田:
     ド派手ですね。こういう色使いをしたくなるような映画ですよ。

    関根:
     ちょっと派手すぎるような気もしますが。

    須田:
     きっと映画の舞台がこういうビジュアルを作りたくさせるんでしょうね。

    関根:
     なるほど。行ったことのない人でも,その名前が出ただけで,とんでもなく豪華な夢のようなところだと勝手に思ってしまう場所,ラスベガスが舞台ですからね。

    須田:
     そうです。この映画は,いわゆる“ベガス・ムービー”ですよ。

    関根:
     ん? そんなジャンルがあるんですか? 聞いたことがないんですが。

    須田:
     ハリウッドではそう呼ばれているらしいと聞いたことがあるような気がしないでもない……わけですよ。

    関根:
     要約すると支配人が勝手に生み出した呼称ということですね。

    須田:
     でも,僕はジャンルとしてそう呼んでも良いと思っているんですよ。「ハングオーバー」[1]に代表される,一連のラスベガスを舞台とした映画のことを。

    関根:
     否定するつもりはありません。ベガスでドンチャン騒ぎをするということがメインの映画ということですよね。

    須田:
     それだけではないんです。
     例えばそうだなぁ,あのまばゆいばかりの光の裏にはやっぱり影があって,そこを描きつつ,切ない人間模様を描いた名作,「ラスベガスの夜に」観ました?

    関根:
     その作品は,ちょっと存じ上げないですね。勉強不足です。すみません。

    須田:
     あの俳優さんですよ,主演は……えーっと……大スターで,アクションもやっちゃうような。

    関根:
     もしかして,ニコラス・ケイジですか?

    須田:
     そうそう,それ。

    関根:
     アル中なんですよね。

    須田:
     そうそう,知ってるじゃないですか。勉強不足なんて言って,もう。

    関根:
     うーん……たぶん「リービング・ラスベガス」[2]という映画のことですね。

    須田:
     え! ……あはははははは。
     あれ,良い映画でしたよねぇ。今回の作品も,そんなラスベガスを舞台にした良作,「ラストベガス」です。

    関根:
     うわ,出た。高笑いからの,すべてをうやむやにする戦法。



    ベガス・ムービーの新たな代表作の誕生!?


    須田:
     ベガス・ムービーって表だけを描いても裏を描いても,必ずついてくるのが乱痴気騒ぎですよね。でも今回の映画は,その乱痴気騒ぎも含め,まぁ,品が良かった。

    関根:
     確かに品が良かったです。それこそが,この映画の最も重要なところかもしれません。「品が良かった」という一言でこの映画を表現するなんて,さすが支配人ですね。
     こういう話って,もっと下品になりがちだと思うんですよね。

    須田:
     確かに。やっぱりハングオーバーがベガス・ムービーの典型だと思うんですよ。乱痴気騒ぎのバチェラーパーティー[3]をやるだけのコメディ。それと同じシチュエーションなのに,下品じゃない。後味が凄く良くて,キレがあってコクがあって,スーパードライみたいな映画でした。

    関根:
     さっきは絶妙な表現をするなと思ってましたが,とたんに雑になりましたね。本当に支配人は何年お付き合いしても読めません。

    須田:
     雑ですか? 僕,スーパードライ大好きなんですよ。だからこの映画もぜひ紹介したいと思って。

    関根:
     だからだったんですか!

    須田:
     ダメですかね?

    関根:
     いや,大丈夫です。続けてください……。

    須田:
     日本ではあまり知られていないんですけど,一年のうちで一番最初に行われるゲーム関連のイベントって,実はラスベガスで行われるCES(Consumer Electronics Show)というショウイベントなんですよ。

    関根:
     なるほど。

    須田:
     僕も今年初めて参加したんですが,行きの飛行機で今回の作品をやってたんですよ。これはもう運命じゃないですか。

    関根:
     これから行く場所が舞台なんてワクワクしますよね。

    須田:
     しかも,ラスベガスに着いて自分の泊まるホテルに行ったら,なんと主人公たちが泊まっているホテルと同じだったんですよ。

    関根:
     あんな凄いところに泊まったんですか。

    須田:
     あんなところに泊まったんですよ,というかあんなホテルばっかりなんですけどね。

    関根:
     いやいや運命ですね,まさに。


    須田:
     で,話を戻すと,最初は軽い気持ちで観たんです。そうしたらこれが面白くて。部長,どうでしたか?

    関根:
     いやぁ,お恥ずかしい話なんですが,泣いてしまいました。

    須田:
     なんと。そうなんですね。実は僕も,ホロッときちゃいました。

    関根:
     どうってことない話なんですよ。
     でも,良い話で。

    須田:
     ええ。良い話です。

    4Gamer:
     あのー,良い話で,良い映画だということは分かるんですが,内容がさっぱり想像できません。

    関根:
     おっと,すみません。話はいたってシンプル。58年もの付き合いになる(元)悪ガキ四人組。その中の一人,ビリー(マイケル・ダグラス)が結婚することになった。しかも初婚。そのバチェラーパーティーをラスベガスでやることになる。これが物語の主の部分です。
     そしてほかの三人の人生をサイドストーリーにしながら話が進んでいきます。前年に最愛の妻を亡くしたパディ(ロバート・デ・ニーロ),大病を患ったことがきっかけに息子から家を出ることを許してもらえないアーチー(モーガン・フリーマン)。妻の希望でお年寄りばかりのフロリダへ移住して,何の刺激も得られず悶々としているサム(ケヴィン・クライン)。

    須田:
     みんなもうおじいちゃんと呼ばれるような年齢になって,当然それぞれの人生劇場がある。誰にでも当てはまりそうな物語なんですけどね。でもベテラン俳優陣や,ラスベガスという特別な場所と相まって分厚くなるストーリーは,やはり映画として巧妙だなと。

    関根:
     こういう展開だと,年寄りなのにスーパーヒーローみたいに活躍しちゃうなんて話も多いじゃないですか。

    須田:
     ありますね。

    関根:
     でもこの作品は,思いのほか現実的に描いている。だからこそ,彼らに感情移入しやすんですよね。



    ハリウッド俳優の説得力たるや……


    須田:
     あとはなんといってもこの四人の役者の……。

    関根:
     うまさですよね。

    須田:
     どこまでアドリブなんだろうって考えちゃいます。素晴らしすぎて気にはならないんですけど。

    関根:
     どっちなんだって話ですけど。でも分かります。マイケルとデ・ニーロのプールサイドでのやり取りとかね。

    須田:
     いやあれねぇ,本当にうまい役者じゃないとできないですよ。

    関根:
     二人が椅子に座って向かいあった瞬間から,セリフがなくても物語が進んでいく。

    須田:
     すごいですね。会話がなくても,気まずさとか友情とか,お互いの思いが全部分かるんですよ。

    関根:
     伝説の落語家みたいな感じですよね。座布団に座る前からもう面白いみたいな。

    須田:
     そんな感じですよ。

    関根:
     この女優さんもよかったですよね。メアリー・スティーンバージェン。ベガスの人気のないバーの専属歌手,ダイアナ役。

    須田:
     ビリーとパディは子供の頃同じ女性を好きになったことがあるんですよね。で,今回もまた,彼女のことを好きになっちゃう。この二人,女性の趣味が一緒ってことですよね。一貫してますね,子どものときから。

    関根:
     そうですね(笑)。

    須田:
     その口説き合戦も面白かった。


    関根:
     観てる人だけでなく多くの映画業界の人に,僕達こんなことができますよ! ってプレゼンテーションしている感じにすら見えるんですよね。
     僕の妄想ですけど,これ監督は演出していないんじゃないかと。自由にやってくださいみたいな。

    須田:
     さすがにそれはないと思いますけど,でもそうだったら面白いですよね。流れは大体こんな感じなんで,あとは皆さんご自由に,みたいなね。

    関根:
     演技合戦というよりも,セッションみたいな。

    須田:
     あー,確かに。ジャズのセッション。アドリブの掛け合いというか。

    関根:
     マイケルがそう来るなら,俺はこう返すぜみたいにデ・ニーロがやって,それに反応したケヴィン・クラインがそれをすっと,モーガン・フリーマンに受け渡すみたいな。心地良いんですよ,しかもそれが100分という時間にまとめられている。テンポがいいんですよね。

    須田:
     ハリウッドの名優達が本気を出すと……。

    二人:
     すげえなぁ。

    須田:
     とんでもないな,この人達って思いました。

    関根:
     デ・ニーロのパンチ,あの素早さ。

    須田:
     さすが「レイジング・ブル」[4]

    関根:
     いやぁ,いいものを観たなって感じです。名作ですよ。

    須田:
     正直,4Gamerの読者の方々は,公開前から楽しみでたまらん! みたいに思わないタイプの映画だと思うんですよ。

    関根:
     タイトルだって,最後のラスベガスでラストベガスという。ダジャレですからね。

    須田:
     でも,ぜひ観てほしいですよね。ビキニコンテストだけでも。

    関根:
     最高ですよ,あのシーン(笑)。



    支配人のベガスゲームとは?


    関根:
     この映画と関連性のありそうなゲームは,もう心に決めているんですか?

    須田:
     決まってますよ。やっぱりベガス。まさにそこを舞台にしたゲームがあるんですよ。Ubisoftから出ているFPSなんですけどね。

    関根:
     ん?FPSなんですか?

    須田:
     そうです。「レインボーシックス ベガス」PC / PlayStation 3 / Xbox 360)という作品です。

    「レインボーシックス ベガス」

    関根:
     支配人,トム・クランシー好きですねぇ。どんなゲームなんですか?

    須田:
     ベガスを舞台に,ドンパチやるんですよ。

    関根:
     それは想像つきますが……。

    須田:
     有名なホテルに入っていって,有名なカジノで撃ち合うみたいな。

    関根:
     説明,雑! いつもにも増して雑。

    須田:
     街並みからホテル内部に至るまで,完全にベガス気分が味わえるんです。

    関根:
     そこは徹底しているんですね。

    須田:
     ベガスゲームといえば,もうこれなんですよ。だって,「ベガス ゲーム」で検索するとすぐに出てきますもん。

    4Gamer:
     あ,ほんとだ。

    関根:
     はっ,まさかそれで決めたというわけではないですよね?

    須田:
     うーん,それもあります。

    関根:
     うへっ,正直。

    須田:
     ベガスに行ったことがない方々にベガス気分を味わってもらいたい。そうなると,映画といえばラストベガスだし,ゲームだったらレインボーシックス ベガスしか浮かばないってなくらいなもんで。

    関根:
     でもパーティーシーンもないんですよね,ベガスなのに。

    須田:
     いや,戦闘が終わったら,プールでパーティーが開かれるモードがあったはずです。

    関根:
     兵士達が?

    須田:
     そうそう。確か高得点クリアすると,そのご褒美で。

    4Gamer:
     なかったと思います!

    須田:
     ありませんでしたか……。

    関根:
     ウソテクを教えないで下さいよ。僕は,ベガスに行ったことがないから気分を味わいたいですけど,ドンパチじゃなくてパーティーをしたいんです。ゲームで出来ないんだったら,社員旅行で連れて行ってください。

    須田:
     ……でも部長,パーティーをするにもベガスの街が占領されていたらできないじゃないですか。

    関根:
     はい?

    須田:
     だからゆっくりとベガスで遊びたいのであれば,まずは闘いましょう。そして平和な世界を取り戻しましょうよ。

    関根:
     そうですね,支配人に期待した自分が間違ってました。敵が支配人だと思って撃ちまくってやりますよ!

    須田:
     あはははは,また次回ー!

    映画「ラストベガス」公式サイト








    1.「ハングオーバー」
    2010年公開のアメリカ映画「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」のこと。親友のために企画したバチェラーパーティーのため,ラスベガスを訪れた4人の男が織り成すドタバタコメディ。乱痴気騒ぎベガス・ムービーの代表格と支配人が言うのも納得するおバカ映画。3作目まで作られるほどの人気シリーズとなった


    2.「リービング・ラスベガス」
    1996年公開のアメリカ,フランス,イギリス合作映画。ラスベガスを舞台に,アルコール依存症の脚本家ベン・サンダーソン(ニコラス・ケイジ)が堕ちていく姿を描く悲劇。作家ジョン・オブライエンの自伝的小説をもとに作られている。監督のマイク・フィギスはミュージシャンでもあり,自作映画では音楽監督も担当している。スティングの歌うジャズスタンダードナンバーなどを収録したサウンドトラックも高く評価された


    3.バチェラーパーティー
    新郎が独身最後の夜に同性の友人たちと集まって過ごすパーティーのこと。欧米では定番


    4.「レイジング・ブル」
    1980年公開のアメリカ映画。監督はマーティン・スコセッシ。栄光と挫折を味わうボクサーを描いた作品で,主演のロバート・デ・ニーロはチャンピオンの肉体と,引退後の太った姿を20kg以上の体重コントロールで表現した。役になりきるために体作りや人生経験を積むことをストイックなまでに行う彼のやり方は「デ・ニーロ・アプローチ」と呼ばれ,そういう役作りをすることの一般用語としても一人歩きしている。ちなみにほかの作品では,賞金稼ぎや浮浪者と行動をともにすることもあったらしい
     



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