ベセスダ・ソフトワークスの「サイコブレイク」を,いち早くプレイしたインプレッションをお届け。迫りくる恐怖の連続に,あなたは耐えられるか
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昨年(2013年)のE3で公開された,かなりドロドロな感じのティザー映像をBethesda Softworksのブースで見た筆者だったが,それ以降は情報があまり出てこなかった,謎の多いタイトルでもある。もちろん,本作のプレイアブルバージョンを外部の人間が触れるという機会は今までなかったが,このたび,そんな「サイコブレイク」をいち早くプレイするという貴重な機会を得た。
ここで,そのファーストインプレッションをお伝えしたい。なお,プレイの模様については全面的に撮影禁止だったが,代わりに最新スクリーンショットが何点か公開されたので,合わせてここに掲載しよう。
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「サイコブレイク」公式サイト
さて,今回プレイできたのは,ゲームのチャプター4とチャプター8で,E3 2014に出展される予定のものと同じビルドだそうで,E3ではこれらを規定の時間プレイできるという。
チャプター4からのスタートということで,それまでのストーリーは残念ながら,よく分からない。もっとも,主人公のセバスチャン・カステヤノス自身も唐突に事件に巻き込まれ,気がついたら謎の場所で逆さ吊りにされていた(関連記事)という具合なので,彼も自分が置かれた状況が分かっていないようだ。こうした演出も,本作における恐怖を生み出す理由の一つになっているので,まあ,あまり深く考えずにゲームを進めた。
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ゲームは三人称視点のTPSだが,プレイした限り,使える弾の数はギリギリという印象で,バリバリ撃って敵を倒して進んでいくタイプのTPSではない。後述するが,本作で主人公に襲いかかってくる敵はザコでもかなり手ごわく,武器の弾数も限られているため,敵に気づかれないようにスニーク移動をしたり,スニークキル(敵の背後で発動させると,静かに,しかも一撃で倒せる)などを使ったりしながら進んでいくことが重要になる。
主人公に襲いかかる敵の正体は現時点では不明だが,「ホーンテッド」と呼ばれる,恐らく元は人間であったであろう不気味なクリーチャー達だ。見た目のデザインの恐ろしさはもちろん,タイプによって異なる武器や攻撃方法を持っている点も侮れない。筆者もプレイ中に何度か奴らに襲われたのだが,難度によっては一撃で倒されてしまうほどの強さを持つものもいた。
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さらに彼らはこちらの気配を感じ取る(これも難度とゲーム設定によるが,目玉の形をした「気配アイコン」が表示される)と,近くにいる仲間を呼んで集団で襲いかかってくる。使える武器が限られていることもあって,まともに相手にするのは厳しい場面も多い。
相手にしないでダッシュで逃げるという手もあるが,ダッシュに必要なスタミナが減るのが比較的早いため,これも確実ではない。
やはり前述のスニークキルで敵を一人ずつ倒していくか,あるいは要所に仕掛けられた爆発系のトラップなどを利用して,効率よく戦っていくことが,道を切り開くカギとなりそうだ。
なお,アイテムの「マッチ」を使って倒れた敵を燃やすと,弾丸を節約しつつ効率よく倒すことができる。ヤツらは倒れても体力が残っていれば,また立ち上がって襲ってくるからだ。しかし,このマッチにも限りがあるのがまた悩ましいところだ……。
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という感じで,チャプター4にはいきなり手こずらされたが,2つめにプレイしたチャプター8は,難度「サバイバル」を選んだせいで,一番易しい「カジュアル」でクリアしたチャプター4とは比較にならないほど苦しめられた。サイコブレイクの世界で生き残るのは,かなり厳しいようだ。ちなみに,本作の難度としては「カジュアル」「サバイバル」「ナイトメア」の3段階が用意されているが,さらに上の難度もやり込み要素としてあるとのことで,「ナイトメア」でもヌルいと感じる(とくに欧米の)コアプレイヤーを意識した設定といえそうだ。
ともあれ,チャプター8はゲーム中盤あたりになるため,敵が割と強いことに加え,敵の頭部を自動で狙う「照準アシスト」が「サバイバル」以上では使えないことも重なって,同じ場所で何度もやられてしまった。その原因の一つとして,同じ場所に挑戦しているのに,プレイするたびに敵の攻撃パターンや出現場所が変わるという点が挙げられる。さらに,懐に飛び込まれるとセバスチャンにはなすすべがなく,かなり前の再スタート地点に戻されるということもあって,彼らと対峙したときの恐怖や緊張感はかなりのものだ。
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しかも筆者のような腕前でも,やられるたびに「分かった,たぶん次はイケる!」と思わせる絶妙なところに難度が設定されていて,なんだかとても憎い。チャプター8の舞台は広い洋館で,いろいろなところに行けるため,プレイを重ねることで,ここは厳しいから次はこちらから先にチェックしておこう,という感じで,さまざまな攻略法が考えられる。そこもまた,楽しい部分だ。結局,取材時間が終了してチャプター8はクリアできずじまいだったので,負け惜しみに聞こえてしまいそうだが,あと数度チャンスがあればきっとクリアできるという感触があった。いや,マジで。
もっともこのチャプター8が中盤だとすれば,それ以降がどれほどのものになるのか,想像すると,ちょっと恐ろしい。さすがサバイバルホラーだ。
プレイした2つのチャプターは,見た目や難度だけでなく,展開もずいぶん違っていた。チャプター4では,マップにあるいくつかの建物内で,ストーリーにまつわるイベントシーンが見られたのだが,実は最初のプレイのとき,一つ見逃してしまった。改めてそれを見るため,都合2回プレイさせてもらったのだが,どうやら,用意されたすべてイベントがゲームを進めるためのフラグになっているわけではないらしい。
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一方チャプター8の舞台である洋館は,一昔前なら1つのゲームの背景として成立しそうな広さで,扉を開くためにいくつかのパズルを解いていくという内容になっていた。どうすればいいのか,という直接的な説明はなかったが,重要なオブジェクトが比較的目立つ位置に配置され,接近すればアクションも表示されるので,ゲームにある程度慣れたプレイヤーならそう頭を悩ますことはないだろう。
ちなみに筆者は,チャプター8のパズルの解法はなんとなくつかめたものの,次々に現れる敵に何度もやられてしまい,上記のように,チャプターをクリアすることなく,時間切れとなってしまった。
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そのほか,今回のプレイで体験できた本作の特徴の一つとして,セバスチャンが持っている「アガニ」という武器が挙げられる。これは要するにボウガンなのだが,単純に敵にダメージを与えるだけでなく,矢の先端に氷や電気などの特殊効果を持ったボルトを付けられるというもの。
今回は「使いこなす」ところまでは至らなかったものの,チャプター8では,敵が待ちかまえているポイントでこれを使って比較的楽に突破することができたりしているので,効果はかなり高いという印象。銃と違って無音なので,スニークにも便利だ。
個人的にはこのアガニの使いどころや属性についてチュートリアルやヘルプなどで教えてほしいとも思ったが,今回は途中のチャプターからのスタートだったので仕方ないところだろう。たぶん,順を追ってプレイしていけば,使用方法が分かるはずだ。
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とくにプレイ中に突如現れては,セバスチャンを容赦なく殺しにかかるフードの男の存在がとても気になり,彼の正体や目的が以降のストーリーでどう描かれていくのかが楽しみだ。
グロテスクなグラフィックスや敵のデザインは,従来のホラー作品のテンプレートに倣いつつも,ひと味違っており,プレイヤーの恐怖を増幅させてくれる。この手のものが苦手という人もいるかもしれないが,ファンにとってはこれまでとは違った怖さを体感できる,たまらないものになっていると思う。
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昨年のTGS 2013で公開されたトレイラー映像では,BGMの一部にバッハの「G線上のアリア」が使われていたが,今回プレイしたチャプター内でもドビュッシーの「月の光」が流れており,本作の雰囲気に不思議とマッチするクラシック曲を絡めた演出は,センスがいい。
ちなみに音声については,英語音声と日本語吹き替えが設定で切り替えられるとのことだが,なぜかは知らないが,英語音声ではより恐怖感が増えるように筆者は感じだ。
関係者によると,ゲーム本編はほぼ完成に近い段階にあり,部分的にバランス調整に入っているとのこと。具体的な発売日は,「2014年内」ということ以外まだ明らかにされていないが,個人的には満足のいくバランスになるまで作り込んでもらいたいと願っている。
今回の試遊によって,筆者もがぜん興味が湧いてきたこの「サイコブレイク」。本稿で少しでも本作に興味を持ったという人は,気になる発売日などを含め,今後の動向に注目していてほしい。
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「PsychoBreak」公式サイト
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