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22世紀少年


    Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ


    G302の筐体にG502の光学センサーを搭載した軽量級ハイスペックマウスを試す
    G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse



    G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse(国内製品名:G303パフォーマンスエディションゲーミングマウス)
    メーカー:Logitech
    問い合わせ先:ロジクール カスタマーリレーションセンター
    電話:050-3786-2085
    メーカー直販価格:7250円(税別)
    Logitech G(Logicool G)
     2015年4月23日,Logicool G(日本以外ではLogitech G)の新製品となる右手用の光学センサー搭載ワイヤードマウス「G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse」(国内製品名:G303パフォーマンスエディションゲーミングマウス,以下 G303)が国内発売となる。
     小型軽量の右手用ワイヤードマウスである「G302 Daedalus Prime MOBA Gaming Mouse」(以下,G302)に,2015年4月時点におけるGxx2世代のフラグシップモデルとなる「G502 Proteus Core Tunable Gaming Mouse」(以下,G502)と同じ光学センサーを搭載し,小さなハイスペックモデルを狙った製品だが,今回は,その実力をじっくり見ていこうと思う。

     なお,形状や持ちやすさ,設定用ソフトウェアの話は,いずれもファーストインプレッション記事でお伝え済みなので,本稿では繰り返さない。以上のポイントが気になった人は,掲載済みのファーストインプレッションを先に読んでもらえれば幸いだ。

    Logicool Gの新型マウス「G303」ファーストインプレッション。4月23日に国内発売の「軽量級ハイスペック機」に触れてみた



    センサー性能は非常に高い

    キャリブレーションの効果も抜群


    Logitech G(Logicool G)
     というわけで,まずはリフトオフディスタンスの計測だ。今回は下に示したテスト環境と設定で検証を行ってみたい。なお,リフトオフディスタンスというのは,マウスをどれくらい持ち上げるとセンサーの出力がカットされるかを示す距離値のこと。ローセンシ(≒低いDPI設定)でマウスを大きく動かすタイプの人だと,頻繁にマウスを持ち上げてマウスパッド上のホームポジションへ戻すことになるが,そのとき,センサーが無駄に反応すると困るので,リフトオフディスタンスは短いほうがいいのである。

    ●テスト環境
    • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
    • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
      ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
    • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
    • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
    • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
    • サウンド:オンボード
    • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

    ●テスト時のマウス設定
    • ファームウェアバージョン:95.1.24
    • 「Logicoolゲームソフトウェア」バージョン:8.58.183
    • DPI設定:200~12000 DPI(主にデフォルト設定の800 DPIを利用)
    • レポートレート設定:125/250/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の1000Hzを利用)
    • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
    • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

    テストにあたってはマウスパッドごとにサーフェスキャリブレーションをやり直した。その方法はファーストインプレッション記事を参照のこと
    Logitech G(Logicool G)
     リフトオフディスタンスの計測では,厚さの異なるステンレスプレートを重ねながら,センサーの反応が途絶える距離を計測している。計測にあたっては,組み合わせるマウスパッドごとに,Logicoolゲームソフトウェアから,サーフェスキャリブレーション機能で最適化を行った。
     その結果はのとおり。リフトオフディスタンスは最短0.6mm,最長でも1.4mmと,極めて優秀な結果だ。G502のレビューで,同製品におけるサーフェスキャリブレーション機能が素晴らしいという話をしたことがあるが,同じセンサーを搭載するG303でも,その恩恵に与れるわけである。


    Logitech G(Logicool G)
     お次は「MouseTester」を用いたセンサー性能の検証だ。ここでは,マウスパッドを「ARTISAN 隼XSOFT」,レポートレートはデフォルトの1000Hzでそれぞれ固定。その状態から,初期プリセットDPI設定である800/1600/3200/6400/8200DPIを選択し,センサーの挙動を確認してみることにした。

     下に示したグラフは,Y軸のプラス方向が左への移動。対するマイナス方向が右への移動時におけるカウント数,横軸がms(ミリ秒)をそれぞれ示している。青い点が実際のカウントで,青い波線は点を正規化したものとなる。ざっくりいえば,波線が青いラインの上にあればあるほどセンサー性能が良好ということだ。以下,テスト結果を並べてみよう。

    400DPI設定時。グラフの頂点部分は若干ブレ気味であるものの,青い線が綺麗に点の間を通過しており,全体としては優秀と言っていい
    Logitech G(Logicool G)
    800DPI設定時。400DPIと比べると,頂点付近のブレが収まり,相当に優秀な結果となった
    Logitech G(Logicool G)
    1600DPI設定時。800DPIと同じく,キレイにまとまっている。これといった問題は見られない
    Logitech G(Logicool G)
    3200DPI設定時。頂点付近のブレが,より少なくなったように見えなくもない。安定感がある
    Logitech G(Logicool G)

     G302のテスト結果とは,明らかに異なる,優秀なスコアが得られたといえるだろう。センサーの挙動に不安や不満を持つことは,まずないのではなかろうか。

    Logitech G(Logicool G)
     センサー検証の最後は直線補正だ。そのマウスが直線補正の有効/無効を切り替えられる場合,Logicoolゲームソフトウェアでは,メインメニューから呼び出せる「設定」ウインドウにある「アングルスナップを有効にする」のチェックボックスから,直線補正の有効(チェック入れ),無効(チェック外し)を切り替えられる。今回はこの設定を切り替えながら,Windows標準の「ペイント」で線を引き,挙動を比較してみる。その結果が,下に示した4枚の画像だ。

    Logitech G(Logicool G)Logitech G(Logicool G)
    直線補正有効時の結果。若干の補正がかかっている。決して強くはないものの,ゲームをプレイしていると,ときおり「アレ?」と,わずかな違和感があった
    Logitech G(Logicool G)Logitech G(Logicool G)
    直線補正無効時の結果。直線的なものであっても補正を感じることはなく,入力どおりのラインが引けた


    G302と似て,少し異なる内部構成

    センサーはカバー付き


     最後に,G303の内部をチェックすべく,分解していこう。

    では最後にG303の内部を暴くべく分解をしていこうと思う。底面部に貼られている上下方向のソールを2枚はがすと4つのネジが露出する。このネジを取り払うと,上面部のパーツが取り外すことができ,内部を拝むことができる。

    上面カバーを開けたところ(左)。ぱっと見はG302そのものと言っていいほど,よく似ている(※G302のレビュー記事では,向かって手前側の側板を残してあるが,今回は見やすさを重視し,外した)。右は取り出したメイン基板(と,リボンケーブルでつながったサイドボタン用サブ基板)。マイクロコントローラと,光学センサーのカバーにQRコードと文字列があった。スマートフォンからQRコードを読み取っても反応しなかったので,おそらくは内部でのロット管理用ではないかと思われる
    Logitech G(Logicool G)Logitech G(Logicool G)
    左右メインボタンのスイッチはオムロン スイッチアンドデバイス製の「D2FC-F-7N」。センタークリック用は水色のタクタイルスイッチだったが,ブランドや型番の判別はできなかった。スクロールホイール手前側のボタンとサイドボタン用のスイッチはKaihua Electronics製で,こちらも型番は分からず
    Logitech G(Logicool G)Logitech G(Logicool G)
    Logitech G(Logicool G)
    光学式センサー(のカバー)とマイクロコントローラに寄ったところ。カバーを貫通するように,本体両サイド用のLEDユニットが基板にハンダ付けされているため,取り外せなかった
    Logitech G(Logicool G)
    代わりと言ってはなんだが,マイクロコントローラに貼られているシールを剥がしてみた。G302に搭載されているのと同じ,STMmicroeclectronicsの「STM32L100R8」だ

    左右メインボタン部のテンションシステム。G302から変わっていないようだ
    Logitech G(Logicool G)
     今回は撮影用カメラの不調と,小破した三脚の不安定感により,写真がイマイチで申し訳ないが,G302の内部構造と比べてもらうと,基本的な内部構造に違いがないのは分かると思う。
     光学センサーはメイン基板にハンダ付けされているため,実際にその型番を確認することはできなかったが,ここまで確認してきた挙動からして,Logitech/ロジクールが言うとおり,G502と同じく,PixArt Imaging製の「PMW3366DM」が搭載されているはずだ。

     なお,ファーストインプレッション記事で,G303,G302と比べて公称本体重量が5g増えていることを指摘したが,ケーブル込みの実測重量でG303が約132g,G302が約127gなのに対し,ケーブルを物理的に取り外した状態だと順に約81.5g,約86g。G303のほうが軽いのだ(※ケーブルの重量はG303が実測約50.5g,G302が同41g)。4.5g程度の違いを体感できるかどうかはともかく,公称重量だけを見て「重くなった」と判断するのは誤りということになるので,この点は押さえておきたい。


    高いが,「G502のプレミアム版」としてはアリ

    その総合性能は文句なし


    Logitech G(Logicool G)
     以上,G303の性能面を掘り下げて見てきた。個人的には,センサー以外の完成度が非常に高く,とくに左右メインボタンが素晴らしかったG302が,最大の弱点を解決し,ついでにG502と同じサーフェスキャリブレーション機能が使えるようになったというのは,非常にありがたい。

     「G302のバリエーションモデル」と見ると,7200~8000円(税込)という実勢価格は明らかに高価だが,「G502の小型軽量化&メインボタン強化済みプレミアム版」として見れば,まずまず手を出しやすい価格帯にあるといえる。小ささと操作のしやすさ,そして性能にも優れるマウスを探している人には,ぜひともお勧めしたい製品だ。

    G303をAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)

    Logicool GのG303製品情報ページ

    テーマ : PCゲーム
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    tag : PCゲーム周辺機器

    「Cherry MX RGB」は競合製品と光り方が違う! 約1680万色に光るCorsair製ゲーマー向けキーボードが10月下旬に国内発売

    「Cherry MX RGB」は競合製品と光り方が違う! 約1680万色に光るCorsair製ゲーマー向けキーボードが10月下旬に国内発売


    Cherry MX RGB搭載モデルの最上位機種「K95」
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
     2014年10月15日,リンクス・インターナショナルは東京秋葉原にて製品説明会を開催し,約1680万色に光るLEDバックライトを備えたCorsair製のゲーマー向けキーボード「K95 RGB」「K70 RGB」「K65 RGB」の日本語配列モデル3製品を10月下旬に国内発売すると発表した。Corsairと独ZF Electronicsの協業によって開発されたメカニカルキースイッチ「Cherry MX RGB」を採用することで,バックライトの光り方を柔軟にカスタマイズできるのが特徴だ。
     税込の販売代理店想定売価は順に,3万2180円前後,2万8800円前後,2万3200円前後となっている。

     ここでは発表会で披露された3製品の概要と,今後登場予定のゲーマー向けマウスおよびゲーマー向けヘッドセットの話題をレポートしよう。なお,2014年6月に開かれたCOMPUTEX TAIPEI 2014にて,CorsairおよびZF Electronicsの担当者にインタビューしたときの記事も掲載しているので,こちらも合わせて読んでいただきたい。

    [COMPUTEX]七色に光るCherry MXキースイッチ搭載キーボードは,なぜCorsairから登場するのか。CherryとCorsairの担当者に聞く


    こちらはK70 RGBのパッケージ。ブランド名がCorsair Gamingに変わり,パッケージからも「Vengeance」の文字はなくなっている
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
     なお,過去の記事やCorsairが2014年9月に公開した公式Blogでは,製品名の頭に「Vengeance」と付いていたが,Corsairがゲーマー向け周辺機器のブランド名を「Corsair Gaming」に変更したのに合わせて,今回の3製品からもVengeanceの文字がなくなったとのこと。名前は変更されたものの,同じ製品であることに変わりはないことを注意してほしい。


    Corsairのキースイッチはキートップだけでなく,キーの周囲まで光る


     まず3製品の違いについて簡単に説明しておこう。基本となるのは,テンキー付きキーボードのK70 RGBで,これのメインキー左側にマクロ用の[G]キーを18個追加したのが最上位モデルのK95 RGB。逆に,K70 RGBからテンキー部分と音量調節用ダイヤルを省いたものがK65 RGBという商品構成となっている。

    K70 RGB
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)

    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
    K95 RGB。左端に18個の[G]キーを備えるハイエンドモデルだ
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
    K65 RGB。テンキーと音量調節用ダイヤルを省いたコンパクトモデル

     国内発売される製品はいずれも,キースイッチ本体にCherry MX Red,いわゆる“Cherry赤軸”を使ったモデルとなっている。海外ではCherry MX Blue(Cherry青軸)やCherry MX Brown(Cherry茶軸)を採用する製品もあるのだが,リンクス・インターナショナルによると,Cherry青軸モデルは時期未定ながら投入予定があるものの,Cherry茶軸モデルについては未定とのことだった。

     [G]キーやテンキー,音量調節用ダイヤルの有無など以外の仕様は3製品とも同一で,Nキーロールオーバー対応と100%のアンチゴースト,1000Hzのレポートレートといったスペックは全機種共通のものだ。
     Corsair製の設定ソフト「Advanced Corsair Utility Engine」(以下,CUE)を使用することで,すべてのキーのキー割り当てを変更したり,マクロ機能を割り当てたりすることも可能な点も共通している。要は,キーの数以外の仕様は共通と理解していい。

    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
    K95 RGBが装備する18個の[G]キー。この写真では分かりにくいが,これらのキーもメインキーと同じように光る
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
    K70 RGBとK95 RGBの右上には,音量調節用ダイヤルやメディアコントロールキー,[Windows]キーのロックボタンやバックライト消灯ボタンがある

    K65 RGBを披露するTim Handley氏(Regional Sales Director,Asia,Corsair)
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
     さて,そんな3製品の特徴は,なんといってもCherry MX RGBによるイルミネーション機能にあるわけだが,説明会に登壇したCorsairにてアジア地域のセールスディレクターを担当するTim Handley氏によると,競合他社の製品と比べて光らせ方に大きな違いがあるという。

     Handley氏は,従来のLEDバックライト付きCherry MXとCherry MX RGBの透視図を披露しながら,その違いを説明する。
     従来型のキースイッチでは,スイッチ軸の隣にLEDが配置されており,それが点灯すると,キーの下側や半透明になったキートップの文字から光が漏れて見えるという仕組みだ。一方のCherry MX RGBでは,キースイッチが載る基板上に小型のカラーLEDが実装されている。そして軸の横に「LED Lens」なる小さなレンズを置いたことにより,光を上だけでなく側面にも広げる仕組みなのだという。この「クリアなレンズが一番の違い」であると,Handley氏はアピールしていた。

    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
    スライドを撮影したので見にくいのは恐縮だが,Cherry MX RGB(左)と従来のCherry MX(右)の透視図。Cherry MX RGBのLEDは基板(PCB)上に表面実装されており,その上に配置されたレンズで光を周囲に拡散する仕組みだ

     さらに,半透明のカバーで覆われたキースイッチの根元部分が剥き出しになった特異なデザインを採用しているため,キーの側面も明るく光るようになっている。キーボードのデザイン自体も,Cherry MX RGBの仕組みを生かせるように設計されているわけだ。

    キートップを外した状態(左)。土台部分を覆う半透明のカバー全体が光っているのが分かる。キートップが付いた状態でも土台部分は剥き出しなので,右写真のように側面から盛大に光が見えるのだ
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)


    発光色カスタマイズは非常に柔軟

    ただし自作するのはかなりの難易度


    CUEに登録されている発光パターンの選択画面。「タイプ」欄がおおまかな光り方で,「サマリー」欄がその詳細
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
     先述したとおり,今回の3製品はいずれもCUE(※Handley氏はキューと発音)を使って発光色やパターンを細かくカスタマイズできる点も特徴である。
     設定可能な発光パターンは実に多彩で,波のように光が流れていったり,発光色が変わり続けたり,押したキーから光が広がるように光ったりと,およそ考えつきそうな光らせ方はなんでもできるといってよさそうだ。光が流れるように動くパターンの場合,動く方向を1度単位の角度で設定できるのにはちょっと驚かされた。
     光るタイミングも設定できるので,たとえば「キーを押してから10秒後に光る」といった設定も可能だ。RPGなどで魔法やポーションを使うキーにこうした設定を割り当てておけば,クールダウン時間終了を光で示すといった使い方ができるだろう。

    CUEでの発光パターン編集画面。虹色に色が変わっていく発光パターンの例で,カラフルな部分の縦軸が明度,横軸がスタートから終了までの時間となっており,時間経過に従って色が次々と変わるように設定されている
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)

    光り方をカスタマイズしているところ。基本的には明度と光る時間をグラフ上で設定して色を割り当てていくのだが,慣れないとかなり難しい
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
     ただし,できることが多い一方でCUEの設定画面が少々分かりにくいこともあって,発光パターンを細かくカスタマイズしようとすると,かなり難しい作業となる。ゲームに合わせてキーごとに設定を1つ1つ作り込むには,相当な手間がかかるのは間違いない。
     幸いなことに,CUEには標準で多くの発光パターンを定義したプリセットが用意されているうえ,作成した発光パターンのプロファイルをファイルとして書き出したり取り込んだりする機能も備えている。Corsairのフォーラムページ(英語)には,他のユーザーが作成したプロファイルが多数投稿されているので,自分の使いたいプロファイルがあればそれを利用してもいいし,それらをカスタマイズして自分なりの発光パターンを作るのもいいだろう。

     ちなみに,発光パターンのカスタマイズを極めると,下に掲載した動画のようなアニメーションをキーボード上で実現することさえできるそうだ。

    K70 RGBのイルミネーション機能によるアニメーションの例

    Clik to Play
    Clik to Play

     Handley氏によると,Corsairでは現在,ゲームデベロッパと協力して,ゲーム側からイルミネーション機能を制御するAPIを策定しているとのこと。これができれば,たとえばゲーム中にキャラクターの体力が減ったり,出血のような持続的ダメージを受けたりすると,キーの色や点滅でそれを表現するといったことも可能になるそうだ。今後の展開に期待したい。


    イルミネーション機能搭載のレーザーマウスM65 RGBも発売予定


     Handley氏はキーボードのほかにも,国内発売予定の製品についても簡単に説明してくれた。
     1つめは,カスタマイズ可能なイルミネーション機能を備えるレーザーセンサー搭載マウス「M65 RGB」だ。海外ではすでに発表済みだが,まだ製品情報ページは用意されておらず,国内での発売時期も未定である。

    M65 RGBの主な特徴
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
     M65 RGBは,既存の「Vengeance M65」(以下,M65)をベースに,スクロールホイールとDPI切替用ボタン,パームレストのロゴマークにカラーLEDを搭載したものになるという。
     ボタン配置も若干だが変更されているそうだ。M65では左側面に,押している間だけDPIを下げる[スナイパー]ボタンが配置されていたのだが,この配置が押しにくく,ボタンも固いという問題がユーザーから指摘されていたそうだ。そこでM65 RGBでは,[スナイパー]ボタンを少し手前側に移動させて,ボタンも押しやすいものに変更されている。M65を試用して「なんだかサイドのボタンが押しにくいな……」と思った人は,M65 RGBに期待してみよう。

    スライド1枚だけだが,国内未発売のヘッドセット「Gaming H2100」
    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)
     もう1つは,ワイヤレスヘッドセットの「Gaming H2100」だ。ドルビーの7.1chバーチャルサラウンド技術に対応するほか,耳を締め付けすぎないデザインと軽量な素材「カーボンスキン」の採用などが特徴であるとのこと。
     国内での発売時期はやはり未定であるが,ワイヤレスヘッドセットに興味のある人は今後の情報に注目しておくとよさそうだ。

    Corsair ゲーマー向けキーボード製品情報(英語)

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    ジャンル : ゲーム

    tag : 周辺機器キーボード

    HORI,格闘ゲーム用の左右非対称ゲームパッド「ファイティングコマンダー」のPS4&PS3両対応版

      2014年5月24日,HORIは,PlayStation 4&3両対応のワイヤードゲームパッド「ファイティングコマンダー4」を6月12日に発売すると発表した。
     ファイティングコマンダー4は,左右非対称デザインと,D-Padの角度および入力範囲調整機構,前面6ボタンが特徴のPlayStation 3用ゲームパッド「ファイティングコマンダー3 PRO.」を,PlayStation 4にも対応させてきた製品という位置づけだ。PlayStation 4対応ということで,一部ボタンの呼称が変わっているものの,基本仕様に違いはない。

     メーカー想定売価は4860円(税込)で,PlayStation公式ライセンス取得予定。ゲームパッド派の格闘ゲーマーは,発売日を覚えておくといいのではなかろうか。

    HORI,格闘ゲーム用の左右非対称ゲームパッド「ファイティングコマンダー」のPS4&PS3両対応版

    ホリ 公式Webサイト


    #### 以下,リリースより ####

    製品名ファイティングコマンダー4
    概要PlayStation 4/PlayStation 3 両対応
    表6ボタン式 格闘ゲーム特化コントローラ
    発売日2014年6月12日発売予定
    品番,JANPS4-016,4961818022300
    価格¥4,500(税抜),¥4,860(税込)

    格闘ゲームに適したパッド型デジタルコントローラがPS4モデルでも登場!!

    【製品の特長】
    PS4PS3両対応の表6ボタン式 パッド型コントローラ。

    HORI,格闘ゲーム用の左右非対称ゲームパッド「ファイティングコマンダー」のPS4&PS3両対応版
    ●操作性を向上させる3つの機能搭載
    “スパイラル方向キー”
    • 方向キー角度調節機能:右20度まで任意に角度調節できる機能。自分に合ったポジションでプレイ可能。
    • 方向キー入力範囲調節機能:斜め入力範囲を選べる3段階から任意に調節できる機能。
      コマンド入力中心の格闘ゲームや縦横方向の入力中心のパズルゲームなどゲーム性に合わせて操作性を向上させることができます。

    “LRボタン切替機能”
    上面のL1/L2ボタンとR1/R2ボタンをスイッチ1つで切替可能。
    1. 通常モード:L1/L2とR1/R2が上面にそのまま配置。(R1/R2が2つ認識します)
      表6ボタンを親指以外で操作される方に最適です。
    2. 切替モード:R1/R2の位置にL1/L2が移動、L1/L2の位置にL3/R3が配置されます。
      右手で8ボタン、左手で方向キーとL3/R3を操作することが出来ます。

    “左右非対称グリップ”
    左側グリップは握りやすい形状で操作のブレをなくし、右側グリップは大きな6ボタンを押しやすい形状になっており、置いた状態ではスティックのような操作も可能です。

    ●方向キー切替機能
    方向キー/左アナログスティック/右アナログスティックの機能をスイッチ1つで切替可能。
    ※アナログ入力には対応しておりません。

    ●連射機能/連射ホールド機能
    割り当て可能ボタン・方向キー(上下左右)/○/×/△/□/L1/L2/R1/R2ボタン
    ※連射速度は 20連射/秒 固定となります。
    ※方向キーにはホールド機能の設定は出来ません。

    【主な仕様】
    • 全長×奥行×高さ:約155mm×約107mm×約66mm
    • 質量:約260g(ケーブル含まず約170g)
    • 接続方式:ケーブル接続(ケーブル長:約3m)

    【ご注意・その他】
    ※PlayStationオフィシャルライセンスプログラム申請中
    ※現在開発中であり、商品仕様・デザインは変更される場合がございます。予めご了承ください。

    • 本品は株式会社ソニー・コンピュータエンタテイメントの商標登録です。
    • 本品はPlayStation 2、PlayStationおよびPS oneにはご使用になれません。
    • 本品はPlayStation 2規格のソフトウェアでの動作保証は致しません。
    • PlayStation 4、PlayStation 3のシステムソフトウェアバージョンによってはお使いいただけない場合があります。
    • “PlayStation”および“PS one”は株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの登録商標です。
    • 本品はモーションセンサーには対応しておりません。

    【関連サイトURL】
    ■製品紹介ページ
    http://www.hori.jp/products/ps4/ps4_ftc/

    ■株式会社ホリ
    http://www.hori.jp/

    テーマ : ■PLAYSTATION®3
    ジャンル : ゲーム

    tag : PS3PS4周辺機器

    SteelSeriesのiOS 7対応ワイヤレスゲームパッドはデキがよかった

    SteelSeriesのiOS 7対応ワイヤレスゲームパッドはデキがよかった
    SteelSeries Stratus Wireless Gaming Controller



    SteelSeries Stratus Wireless Gaming Controller
    メーカー:SteelSeries
    問い合わせ先:ソフトバンク コマース&サービス グローバル製品問い合わせページ
    Apple Store価格:8424円(税込,2014年5月14日現在)
    SteelSeries
     1989年にゲームボーイが登場するまで,ファミリーコンピュータ隆盛期の多くのゲーマーは,こんな希望を抱いていたはずだ。「学校でファミコンしたい」と。実際,小型ディスプレイを備えた謎のモバイル型ファミコンなど,存在しない夢のハードウェアが漫画作品などにいくつも登場していたものである。今にして思えば,なかなかにフリーダムな時代であった。

     時は流れて2014年。現在では,スマートフォン(以下,スマホ)やタブレット端末用のゲームタイトルを,腰を据えて遊びたいというニーズが出てきている。「据え置きのものを持ち運びたい」が,今度は「持ち運べるものを据え置きたい」になったわけだ。世の中,何が起こるか分からない。

    SteelSeries
    製品ボックスはSteelSeriesらしい,黒とオレンジを基調としたもの。今回入手したのはブラックモデルだが,オンラインのApple Store限定でホワイトモデルも用意されている
    SteelSeries
    こちらがFree。野心的な製品ではあったのだが,いかんせん対応するAndroid&iOS用ゲームタイトルが少なく,「PCとMacで使うにはやたら小さいワイヤレスゲームパッド」になってしまっていた
     Apple Storeで2014年3月26日に国内販売が始まったiOSデバイス用のワイヤレスゲームパッド「SteelSeries Stratus Wireless Gaming Controller」(以下,Stratus)は,まさにそんなニーズから生まれた製品である。Stratus(ストラタス)なら,対応するiOSデバイスを机や膝の上に置いて,タッチ操作の代わりにアナログスティックとD-Pad(十字キー),物理ボタンを使ってゲームをプレイできるのだ。

     ちなみにこのStratus,ベースとなっているのは,PCとMac,Android端末,iOS端末に対応するという触れ込みで2012年に発表された「SteelSeries Free Mobile Gaming Controller」(以下,Free)である。Free自体は野心的なデバイスだったのだが,欲張りすぎたというか,対応機器が多い割に実際に使えるゲームタイトルはほとんどないという,かなり残念な製品になっており,結局,日本市場では発売されなかった。
     Stratusの外観は,Freeを踏襲したものになっているわけだが,ターゲットをiOSに絞ったことで何が変わったのか。そして,iOS向けタイトルをじっくりプレイしたい人の期待に応えてくれるのか。今回はその点をチェックしていきたい。


    本題へ入る前に,「iOSデバイス用ゲームパッド事情」を少し


     本題へ入る前に少しだけ,iOSデバイス向けゲームパッドとはどういうもので,いまどういう状況に置かれているかという話をさせてほしい。というのも,iOSデバイス用ゲームパッドは,その存在そのものが黎明期(それもかなり初期)にあるからだ。

    iPhone 5s&5を物理ボタン付き携帯ゲーム機に変えてしまうG550。中央に掘られた溝にiPhoneやiPod Touchを填め込んで使うデザインが大きな特徴だ
    SteelSeries
     iOSの備えるゲームパッド用のAPI(API:Application Programming Interface。ソフトウェアを開発するときに利用可能な命令や関数を集めたもの)は,2014年3月11日リリースのiOS 7で初めて採用されたものだ。登場からまだ日が浅いこともあって,対応ハードウェアやゲームアプリともに多くない。実際,Appleの「Made for i○○」認定プログラムである「MFi Program」をパスしたゲームパッドは,Stratusを除くと,2013年末に国内発売されたLogitech(日本ではロジクール)の「PowerShell Controller+Battery」(国内製品名:G550パワーシェルコントローラ+バッテリー,以下 G550)しか,5月下旬時点では存在しなかったりする。

    SteelSeries
    Appleが定義する標準型+組み込み型のリファレンスデザイン
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    こちらは拡張型+スタンドアロン型のリファレンスデザイン。当たり前だが全然違う
     Appleがデベロッパ向けに提供しているドキュメント「Game Controller Programming Guide」(※リンクをクリックすると日本語pdfファイルのダウンロードが始まります)によれば,iOSデバイス用のゲームパッドは,実装される機能によって,「標準型」と「拡張型」に分けられる。詳細はドキュメントを読んでほしいと思うが,ざっくりまとめるならば,D-Pad(十字キー)と[A/B/X/Y]ボタン,左右ショルダーボタン,そして一時停止ボタンの搭載が,「標準型」の要件。「拡張型」ではそこに,左右アナログパッド/スティックと左右トリガーも要件として加わるイメージになる。
     さらに,iOSデバイスとの接続方法によっても分類がある。横画面状態のiOSデバイスとLightning端子経由で接続され,iOSデバイス側のタッチスクリーンや傾け操作も併用しながら使うことになるものは「組み込み型」,iOSデバイスと物理的には接続されず,ゲームパッドだけですべての操作をまかなうものは「スタンドアロン型」だ。

     要するに,これらの組み合わせによってiOSデバイス用ゲームパッドは定義されるわけだが,操作に利用できる入力系の数が少なくなりすぎることから,「標準型+スタンドアロン型」というのは定義されていない。よって,iOSデバイス用ゲームパッドとして登場する可能性があるのは(少なくとも2014年5月時点のデザインガイドに従う限り)3パターンであり,Stratusは「拡張型+スタンドアロン型」,G550は「標準型+組み込み型」ということになる。
     何が言いたいかというと,先に登場したG550と,今回のStratusでは,ゲームパッドとしての位置づけが大きく異なるのだ。G550はどちらかというと補助的なのに対し,Stratusは,ゲーム操作のすべてを賄おうとする,世間一般でイメージされる「ゲームパッド」の姿に近い製品といえるだろう。

    Stratusは,拡張型+スタンドアロン型。ゲームをプレイするだけなら必須の知識ではないが,今後,ほかのiOSデバイス用ゲームパッドが登場したときに,Appleの定義を知っておくと,混乱せずに済むだろう
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     ここで重要なのは,ゲームパッドにおける“型”の組み合わせパターンによって,対応ゲームタイトルが変わってくるということ。同じ「iOSデバイス用ゲームパッド」でありながら,Stratusの対応ゲームタイトルG550の対応ゲームタイトルが異なるのはそのためだ。
     常識的に考えれば,「標準型」のゲームパッド(以下,標準型ゲームパッド)に対応しているゲームアプリは,「拡張型」のゲームパッド(以下,拡張型ゲームパッド)で問題なくプレイできるはずだが,今回は,そのあたりも念頭に置きつつ,以下の本文を読み進めてもらえれと思う。


    気になるところがないわけではないが,

    持ち運びを前提とした形状と入力系は合格点


     冒頭で「Freeがベース」と紹介したが,Freeは国内発売されなかったので,完全な新製品としてStratusを概観してみよう。

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    Stratusを正面から。フォルムはどことなくセガサターンパッドを彷彿とさせる
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    本体中央には4連のLEDインジケータがある。機能を説明しだすとキリがないので,本稿では必要なものだけ説明したい。詳細はマニュアルを読んでくださいということで
     その形状は,Appleが定義する「拡張型+スタンドアロン型」のリファレンスデザインから大きく外れていない。「全体的な凹凸を弱めたセガサターンパッド」といった風貌だ。
     ただ,そのサイズは非常に小さく,ボタン抜きの実測で110(W)×22(D)×60(H)mm。(机に横置きしたと仮定した場合の)厚みは多少あるものの,フットプリント自体はiPhone 5s&5の長辺を少し短くした程度,といったところか。
     接続インタフェースはBluetooth 2.1で,バッテリーは内蔵のリチウムイオン電池となるが,その割に重量は実測62gと軽い。ちなみにバッテリーは,残量ゼロの状態から満充電まで2時間かかり,満充電から約10時間の連続稼働が可能だという。実際,数時間レベルの連続操作でバッテリーが切れることはなかった。

    本体背面(左)と,手前側の側面(右)。手前側側面中央のUSB Micro-B端子は充電用となる。スティックが意外と上に飛び出ている点にも注目
    SteelSeriesSteelSeries

    製品ボックスの内容物一式。左下がカバー兼グリップだ。持ち運ぶためのポーチと充電用ケーブル,日本語を含む多言語版マニュアルも用意される
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     Stratusで気が利いていると感じるのは,半透明のカバー兼グリップが付属しているところ。「iOSデバイスと一緒に持って歩く前提の製品なので,移動中にアナログスティックやボタンを痛めないようにカバーがついているのだな,ふむふむ」と思っていたら,これは背面にも取り付けられるようになっており,背面に付けるとグリップの強化を図れるのである。カバーをなくす心配もないので,一石二鳥のアイデアと評価していいのではなかろうか。

    カバー兼グリップ。正面側に取り付ければスティックやボタンの保護に,背面に取り付ければグリップとしてそれぞれ役立つ
    SteelSeriesSteelSeries

    パッドの表面は大部分がつや消し加工済みプラスチック。側面はショルダーボタンとトリガーを除いてラバー加工され,滑り止めになっている
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     先ほど,形状が「拡張型+スタンドアロン型」のリファレンスデザインに近いと述べたが,ボタンやスティックの配置も同様だ。左右アナログスティックの配置はPlayStation式で,左アナログスティックの左上にD-Pad(≒十字キー),右アナログスティックの右上に[A/B/X/Y]ボタンで,中央に[一時停止]ボタンが並ぶデザインになっている。
     ショルダーでは,3連の突起がある[L1][R1]ボタンが握ったときの手前側に,[L2][R2]トリガーが奥側に並ぶ。これはAppleの仕様どおりなのだが,[一時停止]ボタン以外はすべて感圧式となっており,ゲームアプリ側の実装次第では,押下圧によるアクションの微調整も可能だ

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     個別に見ていこう
     まずアナログスティックは,親指を載せる台の直径が実測約11mm。PlayStation 4純正コントローラ「DUALSHOCK 4」では同18mmと説明すれば,その小ささをイメージできるのではなかろうか。DUALSHOCK 4と異なり,動かすと,内部で無数のコブと擦れ合うような,“コリコリ”した感触がある。
     親指を当てる部分が凸状のため,親指の腹でしっかりホールドしてやる必要があるのだが,そのとき左右スティックの感覚が短いため,親指同士が触れてしまうのは減点対象となるだろう。ちなみにこの問題はFreeにもあったので,「とくに手当てされていない」ということにもなる。

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     D-Padは,直径実測約26mmの円に十字キーが載ったようなデザインをした単一のパーツになっている。ストロークは1.5mmほどで,わずかにコトコトと音の鳴る,軽快な押下感をしたボタンだ。単一パーツながら,斜め入力が“誤爆”する不安なしに,上下左右をキビキビと押し分けられる印象を受けた。ここはよくできている。

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     右手で使用する[A/B/X/Y]ボタンはプラスチック製で,直径実測約8mmと小ぶりだ(※参考までに,DUALSHOCK 4の[△/○/×/□]ボタンは同10mm)。エッジ部のアールがやや大きいため,「丸っこい」という表現がしっくりくる。
     D-Padと同様,ストロークは1.5mmほどで,押下時の反発力に特徴はない。いい意味で平凡な押し心地といったところだろう。ボタンを離して,戻るときの音がやや大きめだが,問題になるほどではない。

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     [一時停止]ボタンは,ゲーム中に「ゲーム側が用意した一時停止の動作」を行うためのボタンである。回りくどい書き方をしているのは,一時停止するだけのものや,一時停止したうえでオプションメニューを表示するものなど,ゲーム側の実装によって挙動が異なるからだ。裏を返せば,ゲームの実装によっては一時停止に相当する機能を持たない場合もあるということでもある。

    Freeだとショルダーには[L/R]ボタンしかなかったので,4ボタン構成になったのはStratusの新要素といえる
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     Stratusでユニークなのが,ショルダーボタンの配置である。
     具体的には,ヒンジに相当する部分がショルダーの外側にあり,人の身体に喩えると,実際に押下するのは“肩”(ショルダー)というより,“首の根元”や“鎖骨”のあたり――つまりパッド上部中央付近――となる。こうすることで,パッドを深くホールドした状態でも,人差し指や中指の腹でショルダーボタンを押せるというわけだ。
     ただし,カバー兼グリップをパッド背面に取り付けたときは,パッド正面から見て奥側になる[L2/R2]トリガーを押すとき,カバー兼グリップと指が干渉することがあった。ここは指摘しておきたい

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    [L1/R1]ボタンは長く,[L2/R2]ボタンは短い。ヒンジの位置にも言えることだが,コンパクトな筐体に合計4個のショルダーボタンを搭載すべく,かなり苦心した様子が窺える
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    パッド背面にカバーを取り付けると,そのカバーに指が当たって[L2/R2]ボタンを押し損ねる恐れがある。[L1/R1]ボタンとカバーの間に[L2/R2]ボタンが挟まれる形となるためだ

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    本体背面の「ペアリングボタン」。驚くべきごとに,ペアリング自体には使わない
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    電源スイッチは本体右側面にある。オフのときはオレンジ色のマークが見える仕掛け
     本体背面,正面向かって右手側にある丸いボタンは,「ペアリングに関係する」ボタンである。実のところ,iOSデバイスとのペアリングそのものに使うボタンではなかったりするのだが,ちょうどいいタイミングなので,Stratusの電源オンからiOSデバイスとの接続までの流れを説明して,このボタンの説明に代えたいと思う。

     というわけでやり方だが,まだペアリングされていない状態のStratusに電源を投入し,次にiOS側のBluetoothを有効化していれば,iOS側に「SteelSeries Stratus」というデバイス名が表示される。そこで,このデバイス名をタップすればペアリングは完了だ。ペアリングにあたって,Stratus本体背面のボタンを押す必要はない。
     念のため確認しておくと,対応デバイスは,iOS 7が動作するiPhone 5s&5とiPad Air,iPad mini,第4世代iPad,第5世代iPod Touch。一度ペアリングしてしまえば,次回からは,Stratusの電源を入れるたびに,最後に接続したiOSデバイスと自動的に接続される。非常に簡単である。

    Stratusの電源を入れて,iOSデバイスのBluetooth設定画面に名前が出てきたらそれをタップ。ペアリングに必要な作業はこれだけだ
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     さて問題の(?)ペアリング関連ボタンことペアリングボタンだが,その機能についてマニュアルには,「パッド側に保存されている履歴を削除したい場合は5秒長押し」「履歴を消去せずにペアリングモードに切り替えたい場合は2秒押し」(※いずれも要約)といったことが書かれている。いずれも複数のiOSデバイスでStratusを使う場合に使用する機能なのだが,少し分かりにくいので,大雑把に以下のような場合に使用すると考えてほしい。

    • パターンA:5秒押し
      Stratusが,最後に接続したiOSデバイス以外とペアリングできない場合に使用する
    • パターンB:2秒押し
      パターンAではない状態,かつ,すぐにStratusのペアリング先を現在のiOSデバイスからほかのiOSデバイスに切り替えたい場合に使用する

    5秒長押しすると,LEDは左から1番めと3番め,次に2番めと4番めが順に点灯して消える(上)。2秒長押しの場合はまず1番めと2番め,次に3番めと4番めが順に点灯して消える,憶えておかないと,このインジケータが示す意味を把握するのは難しい
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     パターンAの状態は,「パターンBが可能な状態でStratusの電源を切る」ことで生じる。つまり頻繁に起こりうる。現実的に考えれば,パターンBはレアケースなはずなので,「接続できないとことがあったらとりあえず5秒押し」とだけ覚えておけば問題はないはずだ。
     この結論にたどり着くまでに2時間以上の検証時間を要したことは涙ながらに付記してきたい。

     なお,StratusとiOSデバイスをペアリングして一定時間放置したところ,約15分(実測)で自動的にペアリングが解除され,StratusのLEDがすべて消灯した。「電源オンかつ電池の残量がゼロでない状態でLEDが完全に消灯する」という状態は,起動したゲームによって,またゲーム起動中にペアリングもしくは切断を行うことによっても発生するが,「一定時間でLEDが完全消灯」に限ってはサスペンド状態に移行したと考えていいだろう。この場合は,[一時停止]ボタンを押せば,Stratusから再びペアリング要求が送られるようだ。

     ただし,このサスペンドによってペアリングが切れた場合の挙動も,やはりゲーム側の実装による。自動でゲームパッドの入力受付を再開するパターンもあれば,ペアリングが途切れた段階でバーチャルパッドモードなどへ移行したため,メニューから再びゲームパッドモード的な選択肢を選ばなければならないパターンなどがあった。

    Androidデバイスともペアリングは可能だが,動作せず
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     余談気味に続けておくと,Androidタブレット端末「Nexus 7(2012)」(Android 4.3)とも,ペアリング自体は可能だった。ただ,ゲームパッドではなく,単なる「入力デバイス」として認識され,かつStratus側のLEDパターンも「非ペアリング状態」のまま。Free対応のゲームタイトルでも操作はできなかったので,(当たり前だが)Android端末では利用できないことになる。


    いくつかゲームをプレイ

    なるほどこれは“コンシューマ次元”だ


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     では,実際にゲームで使ってみよう。

     今回用意したのは,筆者私物のiPhone 5とiPad Air。ともにiOSのバージョンは7.1.1となる。ただし,プレイした範囲ではiPhone 5とiPad Airで異なる挙動が見られなかった点,そしてiPadユーザーのほうが,ゲームパッドをより強く求めていたであろう点を考慮して,基本的にはiPad Airを前提に語っていきたい。
     なお,この段落では,カバー兼グリップをStratusの本体背面に取り付けている。


    ■アナログスティックを使用するタイプのタイトル

     アナログスティックをごりごり利用するタイプのタイトルとしては,FPS「DEAD TRIGGER 2」を取り上げて語っていこう。DEAD TRIGGER 2はStratus公式対応済みタイトルで,拡張型ゲームパッドをサポートしているため,左右のアナログスティックと[L2/R2]ボタンにもボタンがアサインされている。

    StratusでDEAD TRIGGER 2をプレイ

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    (C)MADFINGER Games, a.s.

     DEAD TRIGGER 2における基本操作は,左アナログスティックで前後左右移動,右アナログスティックで方向転換およびAIMを行うという形だ。総じてタッチパネルにはない良好な操作フィールを得られたが,小さな右アナログスティックを使ってのAIMは,「アナログスティックを倒す角度あたりの照準移動量」が大きく,やや難しい。慣れないうちは――というか筆者はまだ慣れるビジョンが見えていないのだが――照準がぴょんぴょん跳ねることになるだろう。

     DEAD TRIGGER 2ではたまたま,敵として登場するゾンビの背丈に幅がないので,「一定の高さでレティクルを固定して,左スティックによるキャラクターの移動でレティクルを左右にずらして敵を撃つ」ことが可能だった。一方で,クレー射撃のように複雑な動きのオブジェクトを精密AIMするとなると,かなりの練習が必要かもしれない。
     なお,気になっていた「左右アナログスティック同時使用時に生じる親指同士の干渉」だが,筆者はそれほど気にならなかった。手の大きな人でも,持ち方を工夫することでしのげるレベルではないかと思われる。

     とりあえず言っておきたいのは,「やっぱり指で画面が隠れないって素晴らしいな」ということだ。


    ■シビアな操作が要求されるゲーム

     シビアな入力がされるゲームでの操作性は,2D格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS-i 2012」で語ってみたい。本作は,Stratus,G550のいずれにおいても公式対応タイトルとして名を連ねているのだが,プレイしてみたところ,D-Pad,[A/B/X/Y]ボタン,[L2/R2]ボタンに加えて,左右のアナログスティックと[L2/R2]ボタンにもそれぞれ操作がアサインされていたので,拡張型ゲームパッド対応タイトルということになる。

     さて,格闘ゲームというと気になるのは操作に対する反応の遅延だろうが,あるかないかといえば「ある」。
     ただ,プレイには支障がないほどわずかなレベルなのも確か。このわずかな遅延と,物理的なD-Padや[A/B/X/Y]ボタン,ショルダーボタンを使えるメリットを天秤にかければ,後者のほうがはるかにメリットが大きいというのが筆者の印象だ。

    StratusでTHE KING OF FIGHTERS-i 2012をプレイ

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    (C)SNK PLAYMORE

     実際にプレイしてみて,ラグ以外で気になったのは2つ。

     1つは,D-Padの押下を認識するポイントが深めなので,D-Padの上下左右を意識してしっかりと押し込んでやる必要がある点である。66のようなダッシュや,236の波動拳コマンド,214の竜巻旋風脚コマンドでは,最初と最後をかなり強く意識して押す必要があった。

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     2つめは,1つめともやや関連するが,D-Padの4入力を取りこぼすことがあること。Stratusは,そのサイズがゆえに,パッド端のホールドが甘くなり,結果,肘から先でがっちり固定でもしない限り,本体そのものが押下に合わせて沈んでしまうのだ。これが1つめの「押下認識点の深さ」と相まって,しっかり入力されない原因になっているようである。

     これらはいずれもソフトウェア的な閾値設定のようなものがゲーム側に用意されれば解決する気もするが,少なくとも現状では,ホールド方法の工夫など,ユーザー側の対処が必要になる。この点は指摘しておきたい。

     もう1つ,シビアな操作が要求されるタイトルとして,Stratusで公式にサポートしているシューティングから「R-TYPE II」もプレイしてみたのだが,こちらは左アナログスティックを使っても,D-Padを使っても,自機の移動開始と停止がどこかぎこちない。
     というわけで別途「Phoenix HD」を試してみたところ,こちらは入力に対して非常に反応よく動いた。反応速度はゲーム側の実装によって変わってくるという理解で,やはりよいようである。

    StratusでPhoenix HDをプレイ

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    (C)2011 Firi Games, all rights reserved.

     実は今回,Stratusで最初にプレイしたのがR-TYPE IIであり,ゲームを始めた直後に「これはもしやラグか? 終わったわ~」と早合点していた。対応ゲームタイトルだからといって,すべてで完璧な動作を期待できるわけではないので,その点は頭に入れておいたほうがいいだろう。

     まあ,とにもかくにも,やっぱり指が画面で隠れ(以下略)。


    ■なんとなく気になるゲーム

     最後に,5月8日に配信が始まったばかりの「モンスターハンターポータブル 2nd G for iOS」(以下,MHP2G for iOS)もプレイしておこう。

     MHP2G for iOSは拡張型ゲームパッドに対応しており,「標準型」のアサインに加え,左右のアナログスティックと[L2/R2]ボタンにも操作がアサインされている。拡張型ゲームパッドが操作に使用するボタンの数はPS2パッドと同じなので,「これはもしや“モンハン持ち2が可能に!?」と期待したが,残念ながらカメラ操作はD-Padではなく右スティックに割り当てられており,設定変更不可だった。攻撃関係のボタンは[Y/B]ボタンに割り当てられているため,一言でまとめるなら,「右スティックでカメラを操作するPSP版」的な操作体系といったところだろうか。
     ……惜しい。非常に惜しい。ここはなんとかアップデートでの対応を強く要望したいところである。

    Stratusでモンスターハンターポータブル 2nd G for iOSをプレイ

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    (C)CAPCOM CO., LTD. 2014 ALL RIGHTS RESERVED.

     なお,MHP2G for iOSをプレイしたことで,[R1]ボタンの長押し(=スタミナを消費してのダッシュ)という操作を試すことになったが,ここでもボタンを押下するときの「認識点の深さ」が気になった。きちんと押し込まないと[R1]の入力が行われず,ダッシュが途切れることがあったのだ。些末ではあるが,事象としては報告しておきたいと思う。

     最後に,iPadをめちゃくちゃ据え置き機っぽく使ってやる! ということで,iPad AirのビデオとサウンドをHDMI接続で私物のパナソニック製テレビ「スマートビエラ TH-L42E60」に出力して,MHP2G for iOSを遊んでみた。iPad Airとテレビの接続に使用したのは,Appleの「Lightning Digital AV Adapter」だ。
     その結果が下のムービーで,まあ,予測できていた話ではあるのだが,iPad Airからテレビへの出力時に表示遅延が発生しており,反応がかなり緩慢になる。プレイできないとまでは言わないが,「ナルガクルガのビターンやラージャンのバックステップは避けられないっぽい」と,漠然とした印象を述べておこう。

    Stratusでモンスターハンターポータブル 2nd G for iOSをプレイ(withテレビ)

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    (C)CAPCOM CO., LTD. 2014 ALL RIGHTS RESERVED.


    シビアな入力が必要な局面はさすがに厳しいが

    対応タイトルの多くで頼れる相棒になるStratus


    SteelSeries
     前述のとおり,2014年5月時点で競合製品が存在しないため,あえて比較するとしてもいろいろ残念だったFreeくらいしかないのだが,単体で見たStratusは,十分な魅力を持った製品に仕上がっていると言えるだろう。

     もちろん前述のとおり,シビアな入力を必要とするゲームを前にすると,わずかながら確かに存在する入力遅延や,D-Padとショルダーボタンの押下認識点の深さといった問題はあり,「何の問題もなく快適にプレイできる」と言い切れない部分はある。

     ただ,これはあくまでもコンシューマゲーム機のゲームパッドなど,ある意味でこなれた製品と比較した話だ。こう言ってはミもフタもないが,Stratusの評価ポイントが,その反応速度や細かいボタンのフィーリングに集中するのは少し違うのではないかと筆者は考えている。
     少なくとも,特定の入力が全然ダメとかいったことはない。モバイルデバイス用のゲームをプレイするためのゲームパッド第1弾として,合格点を与えられる完成度になっているところこそが,Stratusの魅力ではなかろうか。

     2014年5月22日時点におけるオンライン版Apple Storeの直販価格は7800円(税別)。税込みでは単純計算で8424円となる。そのかわいらしい佇まいとは裏腹に,価格的なハードルは低くないわけだが,それでも,iOSデバイスで,腰を据えてゲームパッド対応タイトルをプレイしたいのであれば,購入して後悔することはないだろう。

    オンライン版Apple StoreでStratusを購入する

    SteelSeriesのStratus製品情報ページ

    テーマ : ゲームパソコン
    ジャンル : コンピュータ

    tag : PCゲーム周辺機器

    ZOWIEのIE3.0クローン「EC」,第3世代モデルは何が変わったのか

    ZOWIEのIE3.0クローン「EC」,第3世代モデルは何が変わったのか
    ZOWIE EC1 eVo CL,EC2 eVo CL


    EC1 eVo CL(左),EC2 eVo CL(右)
    メーカー:Briccity International
    問い合わせ先:マスタードシード(販売代理店) 問い合わせフォーム
    EC1 eVo CL実勢価格:7700~8600円前後(※2014年5月22日現在),EC2 eVo CL:7700~8600円前後(※2014年5月22日現在)
    ZOWIE GEAR
     競技としてゲームをプレイするゲーマーに向け,その能力を向上させることを目的として立ち上がったブランド,ZOWIE GEAR。そのゲーマー向けマウス最新モデルとして2013年末に発売となった「EC1 eVo CL」「EC2 eVo CL」を,今回は取り上げたい。

     ZOWIE GEARの立ち上がった当時,大規模なゲーム大会における主力ジャンルはFPSで,とくに「Counter-Strike 1.6」が花型競技だった。そこでZOWIE GEARは,同タイトルの元プロゲーマーであり,引退後もコミュニティに大きな影響力を誇っていたEmil“HeatoN”Christensen氏(以下,HeaToN)およびAbdisamad“SpawN”Mohamed氏を,製品開発のパートナーとして迎え入れ,プロゲーマーをターゲットにする製品の開発を開始した……という話は,どこかで聞いたことがあるという読者も少なくないだろう。

     そして,ZOWIE GEARの第1弾マウスとして2010年に発売となったのが,HeatoNの本名からその名が付けられた「EC1」「EC2」だ。俗にいう,往年の名機「IntelliMouse Explorer 3.0」(以下,IE 3.0)クローンながら,サイズ違いで2モデル用意してきた――EC2のほうがEC1より小さい――のがトピックだった。

    EC1 eVo CL(左)とEC2 eVo CL(右)の製品ボックス。HeatoNの名前が消え,代わりにCoollerが開発に携わったことを示すシールが貼られている
    ZOWIE GEAR
     2012年にはリニューアル版となる「EC1 eVo」「EC2 eVo」が登場するのだが,その後,ZOWIE GEARとHeatoNは袂を分かつことになる。そのため,ECシリーズのマウスは終焉を迎えるかと思われたのだが,そこに登場したのが,QuakeシリーズのレジェンドプレイヤーであるAnton“Cooller”Singov(以下,Cooller)のプレイヤーネームを略した「CL」入りとなる今回の主役,EC1 eVo CLとEC2 eVo CLだ。要するに今回の2製品は,ECシリーズをベースとしつつ,Coollerの意見を取り入れて,ブラッシュアップを行ってきたものというわけである。

     製品開発パートナーが途中で変わったことにもなるが,果たしてそれによって何が変わり,何が変わっていないのか。前振りが長くなったが,今回はその点を明らかにしてみたい。


    未公開部分が多く,公称スペックでの比較は難しいが

    実機レベルでの違いは多くない


     というわけで,さっそくだがそのスペックを公開情報で比較してみよう。下の表1はEC1 eVo CLとEC1 eVo,表2はEC2 eVo CLとEC2 eVo CLのスペックをまとめたものだ。サイズと重量は実測値で,それ以外はZOWIE GEAR公式のものを用いている。

    表1 EC1 eVo CLとEC1 eVoの主なスペック
    EC1 eVo CLEC1 eVo
    ボタン数6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え)6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え)
    トラッキング速度未公開60IPS
    最大加速度未公開20G
    DPI450/1150/2300DPI450/1150/2300DPI
    フレームレート未公開6400fps
    画像処理能力未公開未公開
    レポートレート125/500/1000Hz125/500/1000Hz
    リフトオフディスタンス1.5~1.8mm1.5mm
    実測サイズ70(W)×128(D)×43(H)mm70(W)×128(D)×43(H)mm
    実測重量ケーブル込み138.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値101~103gケーブル込み139.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値97.5~98.5g

    表2 EC2 eVo CLとEC2 eVoの主なスペック
    EC2 eVo CLEC2 eVo
    ボタン数6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え)6(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,サイドボタン×2,DPI切り替え)
    トラッキング速度未公開60IPS
    最大加速度未公開20G
    DPI450/1150/2300DPI450/1150/2300DPI
    フレームレート未公開6400fps
    画像処理能力未公開未公開
    レポートレート125/500/1000Hz125/500/1000Hz
    リフトオフディスタンス1.5~1.8mm1.5mm
    実測サイズ67(W)×122(D)×42(H)mm67(W)×122(D)×42(H)mm
    実測重量ケーブル込み133.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値92.5~94.0gケーブル込み135.5g,ケーブルを重量計からどかした参考値94.0~95.5g

    ケーブルはビニール皮膜製で,幅は実測約2m。硬くないので,比較的早い段階で馴染む。ここは従来製品と変わらない印象だ
    ZOWIE GEAR
     ……と,まとめておいてアレだが,身も蓋もないことを言えば,EC eVo CLシリーズはセンサー周りの情報が少なすぎて,比較にならない。少なくともセンサーは特殊なDPI設定の刻みが維持されているので,大きくは変わっていないはずだが,スペック情報からそれ以上のことは判断できないというのが実情だ。

     そんななかで気になるのは,実測重量に微妙な違いがあることだが,これは,EC eVo CLにおける細かな変更によるものだろう。今回,製品設計の都合上,分解してケーブルを取り外した状態の重量は計測できていないため,参考重量の大小にあまり意味はない。そのため,ケーブル込みの重量で比較してほしいと思うが,EC eVoでは全面ラバーコートだったのが,EC eVo CLでは黒い上面カバー部のみがそうなっているとか,底面のセンサー部でEC eVoではレンズユニットがほとんど剥き出しのような格好だったのに対し,EC eVo CLでは遮蔽板のような板が追加されたといった違いが生じているので,これが数g程度の違いを生んだ可能性が高い。
     ただ,体感はできないはずだ。少なくとも筆者には,EC eVoと変わらない重さだと感じられた。

    左がEC eVo CLの底面,右がEC2 eVoレビュー記事から再掲となる同製品の底面だ。センサー部を囲む楕円部分に違いがあるのが分かるだろう。ただ,「センサー用レンズユニット部に板を追加する理由」は,よく分からない。リフトオフディスタンスのスペックにEC eVo CLで幅が生まれていることからすると,このあたりを調整するためだろうか?
    ZOWIE GEARZOWIE GEAR

     形状,そしてサイズが従来製品と変わらないので,金型は同じと断言していいだろう。コーティングの変更で,本体側面の白い部分は光沢のないプラスチック的な肌触りになっており,側面もラバーコートされ,すべすべしていたEC eVoと比べると,EC eVo CLは指が軽く貼り付くような感覚で,持ちやすさは若干向上しているように思える。ただ,ここは好みの問題という気もするので,「Coollerが貼り付く感じを好んでいるからこうなった」ということなのかもしれない。

    本体は黒い上面カバーと白い側面カバー,赤いサイドボタンという色分けになっている。「QUAKE LIVE」のイメージカラー,と説明すると膝を打つ人もいるのではなかろうか
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    スクロールホイールの溝は,約3mmごとに1.5mm幅で掘られていた。この点はEC eVoから変わりなしだ
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     ボタン構成は左右メインとセンタークリック機能付きスクロールホイール,左サイド×2と,本体底面に用意されたDPI切り替え用の計6個。ボタン周りの仕様は基本的にEC eVoから変わっていないが,それだけに,EC eVo CLで,スクロールホイールのノッチが従来品の16から24へと8つ多くなっているのは目を引く変更といえるだろう。
     なぜ8つもノッチを増やしたのか。QUAKE LIVEでCoollerが使っているconfigファイルを調べてみたところ,スクロールホイールには下記の2つが割り当てられていた。

    • bind mwheeldown "say ^0gl master ^7*^4*^1*"
    • bind mwheelup "+button2"

     上段はメッセージバインドで,下段は任意のタイミングで使えるアイテムの利用ということらしい(※QUAKEのコンペティションルールだと,このアイテムは用意されないので,なぜこれがバインドされているのかは分からない)。
     正直,これだけではノッチが増えた理由を断じることはできないが,「ノッチ数が多いほど,configで指定した動作の発動するタイミングが早くなるから」か,「感覚的になんとなく」が本当の理由なのではないかと筆者は考えている。

    左の写真は上がEC1 eVo CL,下がEC2 eVo CL。前者は,奥側(=写真左側)が約20mm,手前側(=写真右側)が約21mmの長さになっていた。後者は順に約18mm,約21mm。ちなみにこのサイズ自体は置き換え対象となる従来製品から変わっていない。右はサイドボタンの膨らみ具合を見たカットだ。上側は約2mmほど側面から浮いているが,下側は側面とほぼ同じ高さになっている
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    EC1 eVo CLを,4Gamerの比較用リファレンスマウス「Gaming Mouse G500」と並べたところ。サイズ感はかなり近しい
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    こちらはEC2 eVo CLをGaming Mouse G500と並べたところだ。EC2 eVo CLのほうが一回り小さいイメージになる
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    「謎のセンサー」が分からないから分解!

    内部を見る限り,基本的には従来製品と変わらずか


     スペックだけだとセンサーの詳細が分からない。なら,実際に中を確認してしまえばいいじゃないかということで,今回は従来製品となるEC1 eVoおよびEC2 eVoともども分解してみよう。

    ※注意
     マウスの分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。


     下に示したのは底面部のネジを外してカバー部を開けたところだ。本体のカラーリングが異なるためにけっこう違って見えるが,冷静に配線や基板を見ると,EC1 eVo CLとEC1 eVo,EC2 eVo CLとEC2 eVoは非常によく似ている。

    本体カバーを取り外したところ
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    メイン基板に寄ってみた。2層構造になっているのは変わらず。しかも,ボタンスイッチとスクロールホイールが搭載される側の基板にプリントされた日付はすべて「2010.06.28」となっている。リビジョン表記も「Rev:E」で同じなので,基板は同じものという可能性が高そうだ。気になるのはEC1 eVoだけレンズユニットにカバーがかけられていることだが,その理由は分からない
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     そして気になる光学センサーだが,いずれも「A3090」という刻印があるので,PixArt Imaging(旧Avago Technologies)の「ADNS-3090」採用で間違いない。つまり,前段の表1~2で「未公開」となっていたところは,EC1 eVoおよびEC2 eVoと同じスペックということだ。

    光学センサーはいずれもA3090と刻印されていたので,EC eVo CLシリーズとEC eVoシリーズでセンサーに変更はないということになる
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    レンズユニットはまったく同じだった。光学センサーが同じなのだから,不思議なことではない
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    マウス底面部にある,光学式センサー用の穴に寄ってみたところ。EC eVo CLシリーズにおける遮蔽板の“後付け感”がすごい。Coollerのこだわりによるものだと思われるが,どういう効果があるのだろうか
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    こちらUSBコントローラに寄ったところ。USB 2.0 Full Speed対応のCypress Semiconductor製チップ「CY7C64215-28PVXC」で統一されていた
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     ボタンはいずれもHUANO製で,左右メインボタン用はZOWIE GEARロゴ入りのカスタムモデルというのも従来製品から変わらず。一方,スクロールホイールは,溝の数が同じながら,EC eVo CLシリーズで歯車のノッチが増えているのを確認できよう。

    ボタンスイッチに大きな刷新はないようだ。サイドボタン用ボタンスイッチ上の刻印がEC2 eVoだけ異なって見えるが,これはEC2 eVoの入手時期が古い(※以前レビューを行ったときと同じ個体)ためだろう
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    スクロールホイールは,指が触れるホイール部こそ共通のデザインながら,歯車のノッチ数はEC eVo CLシリーズで増えている
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     というわけで,EC eVo CLとEC eVoでは,ほとんど何も変わっていない。変わっているのは本体底面の遮蔽板のみと述べてもいいくらいだ。もちろん,ファームウェアレベルでCoollerの意向に沿うアップデートが入っている可能性はあるのだが,ハードウェア的にはマイナーチェンジレベルといったところである。

    本体底面の赤いボタンがDPI切り替え用
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     なお,本体底面のDPI切り替え用ボタンを押すごとに,45011502300450……と切り替わり,スクロールホイール部に用意されたLEDインジケータが450DPIでは赤,1150DPIでは紫,2300DPIでは青に変わる点は,従来製品と変わらず。レポートレート(ポーリングレート)のデフォルトが1000Hzで,マウス後方手前側と奥側両方のサイドボタンを押しながらPCと接続すると125Hz,奥側のサイドボタンのみを押しながら接続すると500Hzに変更でき,元に戻すときは手前側のサイドボタンのみを押しながらPCと接続すればいいというのも,従来製品と同じだ。

    スクロールホイール部のLEDはDPIインジケータとなる
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    センサー周りの挙動は従来製品と変わらず

    EC1とEC2の違いは予想以上に持ちやすさを左右する


     センサーが変わらない以上,センサー周りの使い勝手は変わらないと推測されるが,念のため,複数のマウスパッドにおける相性テストも行っておきたい。検証にあたってのテスト環境とテスト時のマウス設定は以下のとおりだ。ZOWIE GEARは,マウスなどの設定ソフトウェア的なものを用意していないので,下に示したものが,テストにあたって設定した内容のすべてである。

    ●テスト環境
    • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
    • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
      ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
    • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
    • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
    • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
    • サウンド:オンボード
    • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

    ●テスト時のマウス設定
    • ファームウェアバージョン:未公開
    • ドライババージョン:6.1.7600.16385(※MicrosoftのUSBドライバ)
    • DPI設定:450/1150/2300DPI(※主に1150DPIを利用)
    • レポートレート設定:125/500/1000Hz(主にデフォルトの1000Hzを利用)
    • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
    • Windows側マウス設定「ポインターの精度の高める」:無効

    マウスソールはいわゆるテフロン加工済み。本体の奥側と手前側の2か所に貼られており,標準で交換用ソールが一組付属している
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     テスト対象としたマウスパッドは下記のとおり14製品。テスト実施タイミングの都合により,5月16日に掲載した「G502 Proteus Core Tunable Gaming Mouse」レビューとは異なり,従来のテスト方法,つまり,「厚さ1mmの1円玉を重ねて,何枚で反応しなくなるか」を調べるものとなっている点は注意してほしいが,結論から先に述べると,いずれのマウスパッドでも,1円玉2枚の厚みでセンサーは反応しなくなった。光学センサー搭載モデルながら,リフトオフディスタンスの安定感は非常に高いと述べていいだろう。

    • ARTISAN 隼XSOFT(布系)
    • ARTISAN 疾風SOFT(布系)
    • ARTISAN 飛燕MID(布系)
    • Logicool G440(プラスチック系)
    • Logicool G240(布系)
    • Razer Destructor 2(プラスチック系)
    • Razer Goliathus Control Edition(布系)
    • Razer Goliathus Speed Edition(布系)
    • Razer Manticor(金属系)
    • Razer Sphex(プラスチック系)
    • SteelSeries 9HD(プラスチック系)
    • SteelSeries QcK(布系)
    • ZOWIE G-TF Speed Version(布系)
    • ZOWIE Swift(プラスチック系)

     なお,EC1 eVo CLとEC2 eVo CLとで,センサーに起因する操作感の違いは当然ながらなし。マウスパッドとの個別相性について述べるなら,Razer Destructor 2とSteelSeries 9HDではやや滑り過ぎるきらいがあるのと,ZOWIE G-TF Speed Versionではマウスを大きく振ったときにわずかながらネガティブアクセル感があたが,気になったのはそれくらいだ。全体的にはクセのない操作性と評していいだろう。

     直線補正は,Windows標準の「ペイント」を使って,実際に線を引いて確認してみた。ここでは従来製品ともどもテストしてみたのだが,下に結果を示したとおり,とくにこれといった違いは感じられない。補正は,筆者の体感的には「ない」と言えるレベルで,あったとしても極めてわずかだと思われる。

    上から順にEC1 eVo CL,EC1 eVo,EC2 eVo CL,EC2 eVoのテスト結果
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     最後に,握った感覚についても写真とキャプションで述べておこう。今回も,「かぶせ持ち」「つまみ持ち」と「つかみ持ち」,そして筆者独自の持ち方だと信じて疑わない「BRZRK持ち」で検証してみたので,以下,参考にしてほしい。
     なお,EC1 eVo CLとEX2 eVo CLでは,握ってしまうと写真レベルでは違いが分からなくなることから,ここではEC1 eVo CLを代表して掲載し,テキストでEC2 eVo CLの話もカバーすることにしたので,この点はご了承を。

    つまみ持ちの例。親指と薬指,小指を本体手前側(=後方側)の膨らんでいる部分に配置すると持ちやすくなる。感覚的に述べるなら,サイズの小さいEC2 eVo CLのほうが持ちやすく,それと比べるとEC1 eVo CLは手にやや負担がかかる印象を受けた
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    つかみ持ちの例。両サイドのくびれている部分に親指と薬指,小指を配置すると持ちやすい。つまみ持ちとは逆に,EC1 eVo CLのほうが手にかかる負担が少なく,EC2 eVo CLだと,小さい分だけ,手の大きな筆者はホールドするのに余計な力が必要になり,若干のストレスを感じた
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    かぶせ持ちの例。日本人の中だと手が大きいほうである筆者には,EC1 eVo CLのほうが手のひらを乗せやすかった。薬指と小指も余裕を持って置くことができる。それと比べると,EC2 eVo CLはどうしても少し小さいため,若干ながら窮屈さを感じる結果に
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    BRZRK持ちの例。かぶせ持ちに近い持ち方ということもあり,EC1 eVo CLのほうが持ちやすさは上だった。親指と薬指,小指で挟み込むときの「手のひらの開き具合」が関係している印象で,本体が大きなEC1 eVo CLのほうが負荷が低く済むのだ
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     以上,EC1 eVo CLとEC2 eVo CLのどちらが合うかは,一にも二にも手の大きさ次第という結果になった。個人的にはEC1 eVo CLのかぶせ持ちがベストで,指にほとんど負担をかけることなく自然に持てたが,手の小さい人だと,まったく違った印象になるのではなかろうか。ZOWIE GEARは,だからこそ微妙にサイズの異なるマウスを用意しているわけで,ここは店頭で手に取るなどして,「自分にはどちらが合うのか」をじっくり吟味してほしいところである。


    Coollerバージョンはほとんどカラバリ!?

    これといった進化は感じられない


    ZOWIE GEAR
     というわけで,レジェンドQuakerであるCoollerの名を冠した最新版EC1とEC2をテストしてきたわけだが,正直に書いてしまうと,従来製品と比べてあまり変わっていない。実際に手に持ってみて,「あ,違うな」と分かるのは,本体両サイドのコーティングと,スクロールホイールのノッチくらい。中身はそのまんまと言ってよく,人によっては「EC eVoシリーズのカラーバリエーション」くらいにしか感じられないかもしれない

     とはいえ,EC eVoシリーズ自体,IE3.0クローンとして完成度は高く,かつ,手の大きさや握り方に合わせてサイズを選べるという希有な特徴もあるので,“カラバリモデルに毛の生えた程度”だったとしても,それはEC1 eVo CLとEC2 eVo CLの価値を下げるものではない。すでにEC1 eVoやEC2 eVoを使っていて,とくに困ったこともないなら,わざわざ買い換える必要はないが,使い勝手のいい右手用マウスを探しているなら,試す価値があると筆者は思う。

     これといった機能もないマウスに7700~8600円程度(※2014年5月20日現在)のコストを投じられるかというと,その金額を払える人はそう多くないかもしれないが。

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    ZOWIE GEARのEC eVo CLシリーズ製品情報ページ

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    ジャンル : コンピュータ

    tag : PCゲーム周辺機器

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